一隅を照らす

mikawakinta632007-08-18

きのうのブログでは丘陵地で群生する高砂ゆりの写真しか掲載できなかったので、けさの散歩は
バス通り沿いに歩いて、歩道の植樹帯に咲く高砂ゆりを撮った。
この高砂ゆり、灼熱の歩道を歩く人に対する一服の清涼剤たらんとこんな社会の片隅で懸命に咲いている。
この”ゆり”は”ゆり”なりに「一隅を照らす」ことを実践しているような気がする。

              



                    ■一隅を照らす

この「一隅を照らす」にまつわるちょいといい話の投書がメルマガに載っていた。


T君はこの4月に小学生になり、スクールバスで県の養護学校に通っている。毎朝、親が付き添いバスに乗せる。
T君は人とのコミニケーションがうまくとれない障害を持っている。


バス通学が始まり」しばらくして、T君の母親は父親に最近の様子を報告した。T君の通学も慣れてスムーズになったこと。通勤途中の年配の男性が毎日『おはよう? 今日も元気に頑張ってね!』と腰をかがめて声を掛けてくれること。
それに対してT君は相変わらず愛想なくそっぽを向いていること。


それからおよそ半年後のこと。いつものように男性が声を掛けたらT君が小さな声で「おはようございます」と返事をした。男性も母親もびっくり。一緒に喜んでくれた。
男性が毎日発信していた心の声が、T君と母親に光を差した瞬間だったなのだ!


父親がが立ち会う機会があった際、男性に礼を言うと男性は「お礼をいうのはこちらの方ですよ!T君の笑顔とあいさつに元気をもらっているのはこちらの方ですから。ありがとうございます!」と答えた。
先日は、「T君がいないので、何か朝から調子が出なくて」と言われたそうだ。
父親は、「とんでもございません!息子は勿論のこと、私たち夫婦も本当に感謝しております!」といい、泣いてしまったそうだ。


T君は最近では、顔もそむけることなく、挨拶も少しづつ出来るようになり、犬の散歩中のおばさん、ランニングおじさんにも声を掛けられ、ちょっとしたマスコットボーイだそうだ。

                                


この投書をした方が、旅行した時ある観音様の本堂に「一隅を照らす」と書いてあり、次のような説明があった。

  <貴方のおかれている場所や立場で出来うるベストを尽くしてください。貴方が光ると隣の人も光ります。
  そうすると人も町も社会も光ります。>
 

毎朝、声を掛けられたこの男性は、まさに「一隅を照らす」だ。男性の日々の温かい声掛けが、T君とお母さんに光を与えたと思う。 歩道の高砂ゆりも、灼熱の道を歩く人に「癒し」と「次へのエネルギー」という光を与えていると思う。