死ぬまで生きるために生きている

mikawakinta632008-04-19

きのうまでの雨もあがって、緑の風が爽やかな気持ちよい天気になった。

きのう配信されたメルマガ、固い絆で結ばれたある新聞記者夫婦のがん闘病記を紹介したものだった。その要約。


ご主人は26歳のときがんを宣告された。当時付き合っていた彼女が大きなショックを受けるのではないかということが不安でたまらなかった。
そのころの彼女は、抑うつ的で落ち込みが激しく、彼女を支えられるのは自分しかいないという気負いを持っていた。


その彼女に、告知の内容を伝えた。すると、「大丈夫。私がついているから。大変だろうけど、頑張ろう」とにっこり。
そして、手術の二日後、彼女の方からプロポーズをした。翌日には婚姻届にサインした。


その後、言葉では表現しきれない苦しい抗がん剤治療、副作用。2度の再発、3度の手術を二人で乗り切った。
入籍に遅れること一年後に、結婚式を挙げたとき、彼は新郎として「治療に耐えて退院しても、それを喜んでくれる人がいなかったら、自分の喜びははるかに小さかったはずだ」と挨拶した。


それに対して奥さんは、「人はなぜ生きるのでしょう。きっと死ぬまで生きるために、生きているのではないかと思うのです」答えにはなっていないけれど、妙に冷静に語る奥さんの言葉に迫力と説得力があったという。
最後の奥さんの挨拶が印象的でドラマに出てくるような話だが、その二人三脚で克服された闘病記は、「がんと向き合って」(晶文社朝日新聞文庫)で発表され、第51回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞しておられる。