愛知少年院の桜

午後からは生憎のしとしと雨。豊田・浄水町にある愛知少年院の桜の一般公開日。豊田では一番の桜だと評判を聞いて早速出かけてみた。なるほど聞きしに勝る桜300本。その内100本は豊田市の名木指定。樹齢70年くらいのものばかりだろう。


せっかくこれだけの桜も見物する人影はまばら。ほとんど独り占め。見物人より監視役の係員の数の方が多いくらいだ。
構内はカメラ、携帯電話禁止。これを知ったのは構内を一回りして帰りがけの出口で写真を撮っていて注意されたとき。
幸いメモリースティックを没収されることもなく、ここにちょっとやそっとでは撮影できない貴重な写真として登場することとなった。

               

この桜の故事来歴が知りたくなって、係りの人に尋ねたりネットで調べたことをまとめるとこうだ。そもそも、この場所は旧海軍飛行場跡。昭和14年愛知航空機の性能試験飛行場として造成され、翌昭和15年に海軍に買収された。昭和20年4月から6月までに3回ここから神風特攻隊が出撃し63名が若い命を落としている。


今、少年院になっている場所は海軍の官舎、兵舎の一部。桜はその当時植えられたもの。潔く散る桜とここから出撃した若い命がはかなくも散っていった事実に因縁めいたものを感じる。