6月の声
6月の声を聞いたとたんに野の景色も庭の景色も暦に同調してか急に夏らしくなったように感じるのは気のせいだろうか。
一足早めの夏景色ウォッチング。
早朝の農道をウォーキング。休耕田では夏を飛び越して早くも秋景色。三々五々にコスモスが咲いているのではないか。
心なし弱々しく感じるが、周りの田んぼが水を張っただけでまだ田植えが済んでない殺風景の中で一服の清涼剤だ。
早朝とはいえ日陰を選んで雑木林の方へ足を向けると、あの一種独特の臭いがしてくる。栗の花の臭いだ。6月の声を聞いたから実りの秋に向けて栗もギヤチェンジを始めたようだ。
自宅に目を転じると、10年一日のごとく変わり映えのしない昔ながらのオールドファッションド紫陽花が6月の声とともにわずかに色づいてきた。丘陵地の稜線にある畑で咲いている紫陽花はもう満開に近いが、栄養失調のウチのものは6月の声を聞いて仕方なく腰を上げたようだ。梅雨に似合う花だから黙っていても入梅には間に合わせてくれるだろう。品種の違う下段のものだけはなんとか面目を保っている。
キウイがわずか1週間ほどの間に急成長。右の写真が5月25日。左がきょう。6月の声を聞いて成長速度のピッチをあげたようだ。
人々が6月に衣替えをする。植物たちも6月の声を聞いたかのごとくそれなりの活動を始める。生き物は移り変わる季節とひとつになって暮らしていることを実感する。