裁判員裁判
史上はじめての裁判員裁判が4日間に渡って行われた。弁護士をしている友人がこの制度に大反対していることから啓蒙されたこともあってこの3年ほどの間に2回も説明会に出た。それだけに、初の裁判員裁判には関心があった。
感じたことが数点ある。
1.裁判員の男女比が女性5、男性1は意外だった。もし、こんな男女比あるいは逆の男女比で性犯罪の裁判をしたら果た して公正な審理ができるだろうか?
2.被害者側心情に傾き勝ちな判決だったと言われる。市民の感覚を取り入れた判決で良いことか、それとも法律論が市民 感情に押しつぶされたと悲しむべきか自分にはわからない。
3.マスコミは知る権利をかざして評議の内容を明らかにせよと盛んに言っているようだが、何でも公開されたら裁判員は 果たして自由に自分の意見を言うことができるだろうか?
4.プレッシャーからか、体調を崩して交代した人がいたほどだ。裁判員のことを考えて日程を縮めることもいいが、審理 が雑になるのではないか?
5.今回のように被告が起訴内容を認めている場合でも、弁護側は控訴の含みを持たせたコメントをしている。控訴審はプ ロだけでやるという。もっと複雑な事案はこれからどんどん出てくるだろう。控訴の事案が次々と出てプロが審理する となればこの制度の存在意義を失いかねない。
新しいことをはじめるのに百人が百人これでよしということは先ずありえない。見直しの機会には慎重なる審議を重ねて欲しいものだ。
それにしても何と皮肉なことか。裁判員裁判が始まり初めて判決のあった日にこの裁判院制度の広報映画「審理」に主演していた女優が覚せい剤所持容疑で逮捕状が出されたとは。
<きょうの一枚> 長なす 家庭菜園 8月7日