原爆記念日

明け方に降った雨はまさに”慈雨”であり”喜雨”であった。庭や畑の水遣りが省けるし、乾いたグラウンドゴルフのグランドに”おしめり”になった。

 8月4日 刑務所前
今年も刑務所の前の歩道に雪(?)が積もり始めた。エンジュの落花だ。花が終わると数珠状の豆の実をつける。



あす8月6日は広島の原爆記念日。昨年4月、オバマ大統領の核兵器のない世界への「プラハの誓い」以来、世界の核兵器に対する考えが大きく変化したようで今年の広島での慰霊祭には駐日米大使や国連事務総長が出席することになっている。また、ビキニ環礁が核実験の記憶を後世に伝えるユネスコ世界文化遺産に選ばれた。


国家レベルの間では核廃絶意識が現実のものとなりつつあるが市民レベルではまだまだの感だ。3月にテニアンに行ったときの現地ガイドの発言が思い出される。この先、8月6日が来るたびにこのガイドの発言が思い出されるだろう。


テニアン島サイパンから南へ5kmの島。広島と長崎に原爆を投下したB29がこの島から飛び立ったことで有名。現地のツアーガイドが自家用車で案内してくれる。このツアーガイドは60歳前後の日本人男性。正確に言えば鹿児島生まれの米国籍。グリーンカードを取得して米国市民権を得たおじさん。

   3月24日 テニアン
ジャングルの中にある滑走路。その脇にB29に原爆を搭載した時のピットが二つある。広島用と長崎用。深さ3m位。まるで温室のようにガラス張りの枠で覆われている。


B29が広島と長崎に投下した原爆を搭載したピットを見学した時こんなことを語った。広島と長崎の原爆により日本は本来ならもっと長引く戦争から早く解放された。そして、ドイツや朝鮮のように分断国家にならなくてすんだ。と。生粋の米国人が戦勝国の論理で語るのなら、そんなものかと不承不承ながら悔しさをかみ締める。


ところが、彼は米国の市民権を持っているからと言って米国人ズラをして同胞に向かってここまで云わなくてもいいものをと思いながら後味の悪いテニアンツアーだった。