お国柄さまざま

この国で「なぜ、こうなんだ?」と疑問に思い、ガイドさんに理由を尋ねるともっともらしい答えが返ってきて妙に納得してしまうようなことがしばしばあった。


  ● 13億の人間の中で生き抜くためには他人のことなどかまっておられない

中国の車優先交通ルールは今に始まったことではない。オリンピック、万博を契機に歩行者優先ルールに変わるのでは思っていたが、地方都市桂林あたりでは道路を横断するのには決死の覚悟が要る状況だ。上海の空港で乗り継ぎ客には係員が廊下でチェックする。日本人は一列に並んでいるのに後ろから来た中国人客は我先にと割り込んでくる。係員は制止しようともせず、混乱するばかり。

現地のガイドさんはいう。13億の人間が生き抜いてゆくには他人のことなどかまっていられない。これが、中国のお国柄だと。

 
毎夜7時からの桂林の歩行者天国。肩と肩が触れ合わないと前に進めないほどの人出。広州でも桂林でもアパートでは必ずと言っていいほど泥棒除けの鉄格子がしてある。




  ● 互いに裸で風呂に入っているのに、どうしてトイレは個室にしなければ恥ずかしいの?

中国のトイレ、いまでは観光客が訪れる場所ではほとんど日本国内のそれと変わりがない。(欧州でもそうだがウォッシュレットがついているのは日本だけ)ちょっと古いトイレでは紙が流せなくて、横に置いてあるツボに紙を入れるようになっているらしい。田舎ではいまだにいわゆる”ニイハオ トイレ”といって仕切りあっても上から覗くことができるようになっているらしい。

現地のガイドさんはいう。互いに裸で風呂に入っているのに、どうしてトイレは個室にしなければ恥ずかしいの?これが、中国のお国柄だと。

 
子供の可愛いことは万国共通。左の子は民族衣装のようだ。



  ● 舗装道路もないような山里に新しいレンガ造りの2階建て、3階建ての民家

桂林から1時間位の郊外に5百年以上の歴史を持つ古い村がある。舗装のしてある幹線道路からはずれてひどい凸凹道をおよそ30分。あたりは農村地帯で両側には2階建てや3階建ての新しいレンガ造りの農家が目白押し。道路や歩いている人の姿から見るとどうも不釣合いの家々だ。

現地のガイドさんはいう。年金もない年寄りたちは、老後の面倒をみてくれる嫁に来てもらうために無理してでも立派な家を建てて待っている。しかし、若い娘さんたちは都会に憧れてなかなか来てくれない。と。これは、中国に限った話でもない。日本でも五十歩百歩の話だ。