悠久の昔をしのぶ村

桂林観光のハイライトはなんと言っても自然が造り上げた景観をめぐる川下りであるが、500年以上の歴史をもつ少数民族の古い村を訪ねたのも印象に残る。大墟古鎮(大墟の読み方を忘れた。古鎮は古い村と言う意味)。桂林市内から約1時間、その半分は未舗装の凸凹道。昔ながらの民家が残り、そこに現在も人々が生活をしている。日本で言うなら”妻籠・馬込”と言った感じだ。

 
村に入ると木陰のある広場が唐辛子を出荷するための作業所になっている。50mほど離れた場所で明らかに漢民族とは違う顔をした女性が真剣な顔つきで並んでいる。作業所で仕事をさせてもらうための順番待ちをしているらしい。


唐辛子はトウバンジャンに使う。観光客向けの料理の味は薄口になっており、食卓には必ずトウバンジャンが出ている。それで、辛さ加減を自分の好みにする。チャーハンにトウバンジャンを乗せて食べると実に美味しい。おみやげにトウバンジャンを10個も買った人があるほど、人気がある。


村のメインストリートは500mほど。軒先にみやげ物を売っている家といわゆる”シャッター通り”とは半々くらい。

 
上の写真は生活の知恵で防火壁を作った風景。下の写真は700年前に建造されて以来そのままと言われる橋の上から見たメインストリート。時代劇映画のセットを彷彿させる風景だ。


 
悠久の昔を彷彿とさせるこの風景に一番ふさわしい登場人物はこのふたり。右側の老女、カメラを向けたら金よこせと手を差し出した。誰かが渡したらこの満足顔。悠久の昔に思いを馳せていたのが、すっかり現実の世界に戻ってしまった。