トシ

あっという間に正月3ヶ日が過ぎ元通りの日常が戻った。新年会で泊まった孫たちも帰り、いつもながらの静寂に戻った。広告ばかりで読むところのない正月版新聞も普通どおりの新聞に戻り、夕刊も来るようになった。銀行も始まった。神社の賽銭箱から溢れんばかりの賽銭を銀行に運び込むことが今年の仕事初めだ。サンデー毎日といってもこの日には新たな心で新年の始動だ。

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庭のキウイの幹に土バチの巣ができていた。野球のボール大。いくらなんでも「こいつぁ〜春から縁起がいい」とはいえない。おみくじが「末吉」のはずだ。「わが意に添わないことが多い」と書いてあった。やっぱり、不吉な土バチの巣だ。


昔の”数え年”を使っていた頃では正月を迎えた回数でトシをとっていたから今で言う正月と比べもっと大きな意味合いがあっただろう。先日読んだ雑誌に「社会年齢」という聞きなれない年齢の概念が出ていた。


50年前と比べ平均寿命は15年延びている。現在の社会保障制度は過去の年齢構成に基づいてつくられたままだからひずみが出てくるのは当たり前。そこで、還暦を迎えたら2年で1歳づつしかトシをとらない。たとえば70歳の人は65歳というように。これを「社会年齢」として年金や医療制度や税金に適用し、65歳定年制も実年齢では70歳とする。 こんなことを提案していた。


実行に移すにはさまざまな障害があるだろう。だが、国の債務残高はやがて1千兆円になろうとしているとき、対処療法でなくこれくらいな抜本的な手術をしないと国は破産しかねない。傾聴に値する提案だと思う。