野茨

      
2日続きの雨。きょうの雨は特別な雨だ。やがて震災から3ヶ月になるというのに今だに避難所暮らしの方が10万人を超し、被災者の方に義捐金がなかなか届かないと言う惨状を尻目に、国民の生命・財産を守る使命をもっている国会の先生方の権力闘争。被災者の方々の涙雨だ。いや、被災者ならずともこんな国会の先生方を選んだ国民の涙雨でもある。


内閣不信任決議案の採決に先立つ民主党の代議士会で菅総理は震災対応のめどが立った後に退陣する意思表明をして党の分裂をひとまず回避したようだ。与野党の間だけでなく与党の間でも亀裂が入り震災対応のめどをつけるまでの菅さんは茨の道だろう。時あたかも農道の路傍では野茨があちこちで白い花を咲かせている。ゴミが吹き寄せられたような吹き溜まりにかぎってひときわ美しく咲いている。まるで、掃き溜めの鶴のように。


野茨といえば大阪にいたとき高槻市大宅壮一の顕彰碑に接したことを思い出した。「美しいバラの花は 野茨の根の上に咲く  大宅壮一」。が、いつのまにか もとの野茨にかえってしまうこともある。と解説がしてあった。おぼろげな記憶だがだいたいこんなないようだった。 菅さんも1年前に鳩山さんから代わった時は美しいバラだと誰もが思った。1年経ったら野茨にかえったようだ。