中欧旅行 あとがき

                 中欧旅行あとがき

もう二度と行くことがないであろう中欧各国、棋士が対局終了後棋譜で戦局を振り返るように、ブログで旅行記を試み旅程表と写真とガイドブックで二度目の旅行を楽しんだ。学生時代の貧乏旅行は計画の段階で、時刻表とガイドブックをにらめっこしながら1回目の机上の旅行を楽しみ、2度目が本番、3度目が写真の整理で一旅行3度の楽しみがあった。いまどきの旅行は業者が立てた「計画」の乗っかって行くだけだから一度目の楽しみが無いに等しい。その代わりにブログのカキコの段階で随分とガイドブックのお世話になった。おかしな話だけれど、旅行から帰ってガイドブックを見てあの建物にはこういう歴史があったのかとか建物の写真を撮ったが名前を忘れた。本を見て分かったというケースが多々あった。お粗末な話だけれど、なかなか中身の濃い二度目の旅行だった。


今回の旅行、昨年の同じ時期に行った独、仏、英、スイスより日程が2日長いのにかかわらず旅費は相当安く、ホテルのグレードも高く、食事も昨年ほど悪くなかった。これは、今回の宿泊地オーストリアの1人当GDPは独、仏などの先進国並みだが、チェコのそれはオーストリアの6割、ハンガリーは5割以下でチェコハンガリーの物価が安いからだろう。チェコハンガリーは経済力が弱いからEUに加盟していても通貨はユーロでない。資源の無い国が共産主義から自由主義に脱皮するもは容易でないということだろうか?


ブダペストの日本人ガイドさんの説明では、ハンガリーでは今”貧富の差”とジプシー出身者に対する”差別”が大きな問題になっているそうだ。そういえば、他国では見かけなかった”物乞い”の姿をブダペスト市内ではよく見かけた。




先日大相撲の出世力士の発表があり、チェコ出身の隆の山が十両に昇進した。つい先だってチェコを訪れたことで、何となくこのお相撲さんに親しみを感じ応援したくなった。福島原発の事故をきっかけに発電の原子力依存が世界中に問題提起した。先だって訪れたオーストリア原発はなしで再生エネルギー重視して電力をまかなっている。現地ガイドさんが誇らしげに語っていた。音楽と歴史のウィーン、オーストリアだけでなく環境先進国オーストリアに、ますます惚れ込んだ。


かつては遠い存在だった国が、たとえ駆け足で訪れただけでも自分の中の引き出しの数が増え、充実感が得られた。