ふたつの裁判


予報どおりこの冬一番の寒い朝だった。静まり返る漆黒の闇の向こうから茜色の空が広がってくる様には、この閉塞感漂うシャバに何か新しい世界を呼び込んでくるのではないかと期待を寄せたくなる。ところが、やがて日が昇り真っ青な空が広がると、いつもどおりの現実の世界だ。けさはいつも以上に着込んでのウォーキングだ。


シャバは裁判の報道で賑やかだ。小沢被告人質問。市民感覚からすると、不自然と思える点もいくつか明らかになった。4億円もの金をいつも手元に置いておくこと。政治資金収支報告書を秘書任せで一切見ないこと。土地の購入も一切秘書任せのこと。などだ。その著書「日本改造計画」でいくら立派な天下国家に言及しても、今回の被告人質問で明らかになったことを考え合わせると空しくなるばかりだ。


もうひとつの裁判。JR西の福知山線脱線事故。100名を越す乗客の命が奪われた事故で、会社に刑事責任を問えるか?現場から離れている経営幹部個人に事故の刑事責任を問うことができるものか? JAL御巣鷹山墜落事故では500名以上の命が奪われたが、JALやボーイング社に刑事責任の追及はなかったはずだ。どうも、よくわからない。