キジの親子物語


終日低く雲の垂れ込めた梅雨空。暗い空とは対照的に丘陵地の畑の一角が色とりどりの花で眩しいほどだ。おそらく、農協のスーパーに卸す花の栽培だろう。この畑とその周囲の草むらを舞台に微笑ましいキジの親子物語が繰り広げられたのだ。佐渡のトキの巣立ちの様子は先日来テレビで流されている。こちらのキジはそんなスーパースターでない。愛知県の片田舎で名もなく清く美しく生きている一介のキジに過ぎない。         


桃太郎の話で3匹のお供のサルは智=知恵、キジは勇=勇気、イヌは仁=人徳を表すそうだ。キジのその勇気ある行動を垣間見た。一眼レフだったらもっと迫力のある写真が撮れたのに、ウォーキングのとき持ち歩くポケットデジカメだったのでこの程度になってしまった。




巣立って初めての遠出。ボクの目に入ってくる景色はどれもこれも、初体験。向こうの畑に美しい花がいっぱい咲いている。きっと、何か美味しいものがあるに違いない。お母さんは今ボクのエサを一生懸命探している。よし、今なら大丈夫だ。勇気を出して自分ひとりでお花の近くまで行ってみよう。お花の咲いているところまで来たが、ヘンな爺さんがいて近寄れない。困ったなぁ〜。向こうの草むらでお母さんが呼んでいる。ボクが答えても声が小さくて聞こえやしない。



エサの獲り方を教えようとして連れてきたのに・・・。ちょっと目を離したスキにどこかに行ってしまった。呼べど、叫べど、返事がない。あぁ〜心配だ。このあたりには野良犬がいるから、大丈夫かなぁ〜。あちらの畑に人がいるけど、まさかあの近くへは行ってなければいいが・・・。




”母を探して三千里”やっとお母さんを見つけた。あぁ〜、無事に戻ってよかった。心配したよ。これからは、お母さんの傍から離れたらダメだよ。野良犬もいるし、ヘンな人もいるからネ。本当はネ、携帯電話を持てばいいけれど、重たくて飛べなくなっちゃうからダメなんだ。二度と勝手な行動をしないことネ。それが、できなかったら体にGPSを埋め込むからネ。


きのうのテレビのニュース。民主党の代議士会で野田さん、党員に対し消費税増税関連法案に賛成するよう”心から、心から、心から”お願いして深々と頭を下げていた。これを見た国民はどう思うだろう。担任の先生が子供に向かって深々と頭を下げて心からお願いしているような光景を授業参観で見て、ウチの子供をこんな先生に任せて大丈夫かしらと誰しも不安になる。「怖いけど言葉は重い」そんなリーダーがこの国には必要だ