ボストン美術館


雨と青空が1日おきに交互にやってくる。きょうは昨日の雨も上がって朝から青空。まだ梅雨明けはしてないが、ウォーキングの道沿いにはムクゲの花が咲きだした。梅雨明け後爽やかな早朝に咲くムクゲがもっともムクゲらしい表情だ。花の形がハイビスカスやオクラに似ている、いかにも真夏の空に似合う。そして、早朝に咲くから爽やかさを一番印象付ける 朝方3時頃に開花した花は夕方にはしぼんでしまうはかない一日花だ。早朝に歩道で落花したものを見るのは前日の夕方にしぼんでしまったものだろう。




雨降りのきのう、名古屋のホテルで昼食会。早めに行って同じ建物にあるボストン美術館で「日本美術の至宝特別企画展」を鑑賞。仏画、絵巻、中世水墨画、近世絵画66点が米国ボストン美術館から里帰り公開されたものだ。長谷川等伯尾形光琳伊藤若沖などの名品が並び、中でも曽我蕭白の長さ10mにも及ぶ「雲龍図」の迫力は圧巻だった。


これらの展示作品の芸術的価値については素人で云々する能力を持ち合わせていない。ただ、言いたいことは大国の横暴だ。先日訪れたトルコのベルガマのアクロポリス遺跡はドイツ人が出土品を国に持ち帰りベルリンの博物館に収められているとガイドからの説明があった。先年訪れた大英博物館古今東西の美術品や書籍や略奪品や民俗資料などが収蔵されている。罪滅ぼしのために見学料は無料にしていると現地のガイドは説明していた。


米国ボストン美術館の日本美術の収蔵品は明治の初めフェノロサらによって収集されたもので10万点を超えるといわれている。先述のドイツ、イギリスにしても大国側の言い分は我々が大事に収蔵していたから今に引き継がれているのだということだろう。米国が日本に原爆を投下して終戦を早めたから米軍の本土上陸による攻撃を受けなくて済んだとサイパンの原爆搭載機の基地跡を見学したときのガイドの説明と相通じるところがある。大国はこんなものだ。大国さん、収蔵品が里帰りした時くらい無料開放したらいかがですか。