「原発ゼロ」新聞各紙の主張


台風16号の影響で不安定な天気。午後には突然の雷雨。10年くらい前から毎年今頃庭でザクロの花が咲き、実がなる。ザクロといっても鉢物用のヒメザクロだ。樹高50cmくらい。朱紅色の花も実もせいぜい2〜3cmだ。朱紅色の花は夏枯れの庭ではひときわ目立つ。実もウィンナーかタコみたいで滑稽だ。


毎週水曜日のメイパパさんのブログ。エネルギー問題について豊かな知見を読ませていただいている。今週のカキコでは中日新聞への批判に矛先が向かっていた。時あたかも、政府は「2030年代に原発の稼働をゼロ」とするエネルギー・環境戦略を決めた。その方針に対するきょう9月15日付全国紙の社説と比べ中日の主張はなんと時代錯誤か。以下各紙の見出し。



● 日経  国益を損なう「原発ゼロ」には異議がある
  国の安全保障と国民生活の将来について責任をもって考え抜く姿勢があったようにみえない。政府の判断の軽さにあきれる。

● 産経  原発ゼロ政策 即時撤回して「25%超」に 世界で孤立し責任果たせぬ
  原発のリスクは否定できないが、原発ゼロのリスクは限りなく大きい。国民も現状の危うさに目を覚ますとき。

● 朝日 原発ゼロを確かなものに
  原発が抱える問題の大きさを多くの人が深刻に受け止めていることを踏まえての決断を評価したい。とはいえ、脱原発の道筋が明確になったとはいえない。



● 中日 もっと早く原発ゼロへ
  世界3位の経済大国が原発ゼロを掲げたことは、国際的にも驚き。持続可能な社会をともに目指そう。2030年代にと言わず、もっと早く。


中日は1面に論説主幹が「原発ゼロという倫理」と題して一文を寄せている。いわく。「世論調査などを見る限り、国民は政治や経済を超えて、社会の倫理というべきものから原発ゼロを選択していた。日本は高度成長の時代を超えて、新しい人間中心の時代へと生まれ変わらなければならない。」と。かつて護憲派の闘士たちがきれいごとの「非武装中立」を掲げたが「現実」には抗しきれず自衛隊の存在まで認めざるを得なくなった。そのことと「原発ゼロという倫理」は大差ないのではないか。国の安全保障、国民生活の将来といった現実に目を向けてない。


病気でも言論でも一つの診断や主張だけでは判断を誤ることがあるということから、セカンドオピニオンが大切だ。中日1紙だけの主張で判断を下すのは危険だ。社会の公器と言われる新聞の主張は、民主主義国家であるだけに、幅が広い。われわれは、広い視野を持たなければならない。