楽観的な生き方のイタリア人

いい意味では「おおらか」、悪く云えば「ええ加減な」といったところか。謹厳実直な日本人にとっては戸惑うことばかりだ。10日足らずの滞在で垣間見えたこの日本人にはないポジティブな生き方の数々。

                                            

● イタリアには時刻表がない

都市の交通機関であるバスやトラムは始発・終発の時刻がきまっているだけで時刻表がない。イタリアの都市は地下鉄が発達してない。地下を掘ると遺跡が多いから。ローマでさえ2路線だけ。
                                     

そんなことに関係しているのかホテルの部屋に時計がない。ローマでのこと。ローマ三越からベネチア広場まで片道1kmの繁華街を歩いた。途中、歩道の脇に宣伝看板を兼ねた時計のポールが4,5本立っていた。自分の時計(電波時計だから正確だ)と見比べて同じ時刻のものはひとつもなし。



● なんとかなるさ、気にしない 気にしない

「もし明日になって自分が困ったら、友だちがきっと助けてくれるだろう」。これがイタリア人流の生き方のようだ。たった10日足らずのイタリア滞在でも随所でこの生き方が垣間見られた。


ベネチアのホテル。ドライヤーのホースがはずれて使い物にならない。ローマのホテル。トイレの水が流れない。クレームをつけたら、壊すつもりで思い切り押せとのこと。何度挑戦してもダメ。夜中だったので、やむなくバスタブに溜めた湯をプラスチックのごみ箱をバケツ代わりにして汲んで流す始末。これが、スーペリアクラスのホテルなのだ。


ローマのレストラン。ローマ風のピザが売りとのこと。オーナー夫人が日本人で美人女将の店といったところ。トイレの個室の鍵がかからない。誰もクレームをつけないようだ。




● 楽しく生きるために仕事をしている

決して「仕事をするために生きている」ということはないようだ。その結果、デモ、ストライキが日常茶飯事になっているようだ。クマさん的な見方をすれば、権利の主張は120%、義務の遂行は80%と云ったところか。

フィレンツェからローマまで約300kmのバス旅行。運転手の連続走行kmやハンドル時間が細かく規制されていて違反すると、運転手もさることながら旅行業者、添乗員にまで責任が及ぶようなシステムができているようだ。添乗員は途中の休憩時間に相当気を遣っていた。