愛知少年院の桜


時々曇る程度で晴れ間が多く風も穏やかな一日。きのうのカキコのコメントで桜はいいからイタリヤの写真をアップせよとリクエストがあったが、やはりこの季節、桜の話題を優先したい。


四つ池の桜は別格として、毎年欠かさず桜の見物に行くのは豊田・浄水町にある愛知少年院だ。ウチから車で10分とかからない。帰国した翌日に早速行った。豊田で一番の桜だとの評判すらある。施設が施設だけに、一般公開日でないと中へは入れない。中まで入ったのは4年前の公開日だった。その後は毎年フェンスの外から眺めるだけだが、年輪を重ねた老木ばかりに圧倒される。                          


刑務所と違って、高い塀はないが高いフェンスが厳重に張り巡らされている。施設の中には聞きしに勝る桜300本。その内100本は豊田市の名木指定。樹齢70年くらいのものばかり。4年前の公開日のこと。監視役の係員が多数いる。施設内はカメラ、携帯電話禁止。これを知ったのは構内を一回りして帰りがけの出口で写真を撮っていて注意されたとき。幸いメモリースティックを没収されることなく、ここにちょっとやそっとで撮影できない貴重な写真として4年ぶりに登場することとなった。(下の写真)

              
そもそも、この場所は旧海軍飛行場跡。昭和14年愛知航空機の性能試験飛行場として造成され、翌昭和15年に海軍に買収された。昭和20年4月から6月までに3回ここから神風特攻隊が出撃し63名が若い命を落としている。今、少年院になっている場所は海軍の官舎、兵舎の一部。桜はその当時植えられたもの。潔く散る桜とここから出撃した若い命がはかなくも散っていった事実に因縁めいたものを感じる。