ブラジルデモと60年安保デモ


きのうといいきょうといい、日本海の高気圧が張り出してきているせいか、はっきりしない天気ながらも涼しい風が吹いて比較的しのぎやすい。グラウンドゴルフのグランドがある桜公園。バス通りの歩道沿いの植え込みにノカンゾウが咲き出した。赤っぽいオレンジ色、あるいは紫がかったオレンジ色の大きい一重の百合の花だ。数年前までは公園の斜面一帯に咲いていたが、絶えてしまって今は歩道沿いだけになってしまった。


ブラジルで開催中のコンフェデレーションズカップサッカー、日本は残念ながら予選敗退となった。この国際的なサッカーの祭典の開催中に、政府の経済政策への抗議やらサッカーW杯反対の市民らの大規模な抗議デモが続いている。デモの発端は公共料金値上げへの抗議だったという。やがて沸き起こったのはコンフェデ杯や来年のW杯サッカーへの支出より社会保障などにまわすように求める抗議になり、W杯サッカー反対になって行ったようだ。



不可解なのはブラジルの国技といわれるサッカーのW杯開催に反対の声が起こることである。「カーニバルとサッカーさえあれば、国民は政府への不満も忘れる」とでも思っている政府への国民の強烈なパンチだろうか?60年安保の時の日本の状況に似ているような気がする。
国会議事堂でデモに参加した女子学生が亡くなった。自分も野次馬で議事堂まで行ってわけのわからぬまま「岸を倒せ!」などとやった。53年前の6月だ。



安保反対の中心は学生たちで、安保そのものより政治への不満が根強かったとも云えるし、熱病にかかったような連中の数もかなり多かったったのではなかっただろうか。デモに参加した自分でさえ「軍備を持たない日本を守るために安保を改定することがなぜダメか」と半信半疑。外国人の目から見れば不可解な安保闘争に思えたに違いない。当時の日本は戦後の復興を果たし4年後に東京五輪を控えていた。ブラジルは来年のサッカーW杯、3年後に五輪開催を控えている。