数字に惑わされるな


久方ぶりの好天続き、小春日和の週末だった。それに引き替え、夕方からは嵐の週明け月曜だ。土曜日は勤労感謝の日。子どもの頃、大人はこの日を新嘗祭(にいなめさい)と云っていた記憶がある。天皇が今年収穫した穀物をお供えして感謝する日だとか。


こんな日にふさわしい花が丘陵地の畑の土手に咲いていた。「栄光の君が代蘭」だ。5月の終わりから6月にかけて咲いていて、夏の間は咲いてなかった。この時季になって再び咲いている。調べるとどうも春秋の二度咲きのもののようだ。


樹高は約2m。根際から生える葉は剣形で分厚く、先が鋭く尖る。花径5、6センチの淡いクリーム色をした鐘形の花をたくさんつけている。名前の由来に興味があったのでネット検索。学名はYucca gloriosaで、gloriosaは栄光を意味することから、日本の栄光はすなわち「君が代」となり、和名「キミガヨラン」「栄光の君が代蘭」になったとか。



先日の中日新聞の朝刊「中日春秋」にこんな記述があった。世界70億人のうち3人にひとりは、トイレも使えない劣悪な環境のでの生活を強いられている。ちなみに携帯電話の契約数は、世界で60億以上。文明の利器がこれほど発達しながら、生活の中で最も基本的なトイレの普及もままならぬ矛盾。


この類の矛盾が身近なところにもあった。経済誌東洋経済」の「すみよさランキング2013」が発表された。わがみよし市は総合評価順位で全国790都市中7位(昨年8位)だった。この順位を見る限り大変住みやすいいい都市だと誰しも思うだろう。 


ところが先刻県警が発表した県内38都市の今年の第3四半期(1〜9月)の犯罪率(人口千人当たりの犯罪発生件数)ワーストランキングではみよし市は犯罪率10.57で8位だ。愛知県下でみよし市より犯罪率の低い都市が30もあるのだ。これで、住みやすさ全国7位の都市だとデカい顔ができるのか。


ウワベに表れた都合のいい数字だけを”いいとこ取り”して物事を判断すると落とし穴があるものだ。矛盾に気づき、どこに原因があるか探らないといけないという教訓だろう。


住みやすさランキングは「安心度」「利便性」「快適度」「富裕度」「住居充実度」で構成されている。「安心度」の指標は病床数、老人福祉施設、出生数などで、犯罪率などは評価対象になっていない。みよし市が全国7位ランクインに最も貢献してるのは財政力指数、地方税収入、課税対象所得額などの「富裕度」で全国1位。


わが町の自主防犯クラブとしては、巷では住みやすさ全国7位などと喧伝されているが実態はそうでもないよ。自分らの住むところは自分らで守らなあかんよ。と日夜訴えているきょうこのごろだ。