立ちション


もったいないような穏やかな晴天が続き、日本海側(裏日本というと差別になるらしい)の人達には申し訳ない気持ちだ。わが庭の秋から冬への季節の移ろい、きのうの山茶花に続いてもうひとつはビワの花だ。


花と呼ぶにはあまりにも地味だ。毎年今頃になると、大きな葉に守られるように、枝の先に白っぽい小花が円錐状に集まって咲くが遠目には薄茶色の木質の塊にみえる。南側の垣根で堂々と咲く山茶花とは違って、斜面の裏庭の片隅でいつのまにかひっそりと咲き出し、ほのかな香りを漂わせている。


ビワはほとんどの木が、これから休眠に入ろうかという時期に花を開く。花の少ない時期だから、蜜を求めて色んな虫達が集まって来るはずだ。 ビワは大変経済観念の発達した植物だ。



けさのラジオ深夜便、12/4の誕生日の花はツワブキと云っていた。緑花センター、10月の季節の花めぐりのテーマが「ツワブキホトトギス」で満開だった。比較的寿命の長い花だから、冬枯れの今お呼びがかかったのだろう。


われらが麻雀荘は大型コンテナハウスで冷暖房設備はあってもトイレがない。雑木林や家庭菜園の片隅で立ちションになる。用足ししながらふと思った。子供の頃「みみずに小便かけると・・・」とよそのおじさんから叱られたものだ。今の子供たちもそんなことで叱られることがあるだろうか?


われわれの子供の頃、いわゆる”世間の常識”を学校よりむしろ地域やガキ同士から学んだことが多かったような気がする。先述の立ちションをはじめ、夏の夜夕涼みをしていて口笛をふくと「夜、口笛吹くとサーカスにさらわれるぞ」とよそのおじさん、おばさんから注意される。「泥棒・巡査」で遊んでいて、上級生は下級生を縄で縛るとき手心を加えることなど。


いじめられる者に救いの手をさしのべる心、いじめにあうスキをつくらない心構え、こんなものは学校でおしえられるものではない。地域や家庭で自然に醸成されるものではないか。立ちションしていても叱られることもないので、こんなことを考えていた。