60年安保と秘密法案


先週末から続いた穏やかな晴れの日もここに至って途切れた。午後からは厚い雲に覆われて今にも降り出しそうな天気だ。 
  
花の少ないこの季節、毎朝のウォーキングで目につくのは木の実たちだ。とりわけピラカンサが丘陵地の畑の土手や公園の緑地や民家の庭で今を盛りと真っ赤な実が冬枯れの景色に彩りを添えている。


ピラカンサは常緑性の低木で5月頃に白い小さな花を咲かせ秋から冬にかけて赤や柿色のつややかな実を付ける。 実は重さで枝がしなるほどたくさん付き、緑色の葉とのコントラストもいい。


木の実は、種子散布のために鳥に食べてもらわなければならないが、ピラカンサの実はどういうわけか、一見美味しそうに見えても毎年一番遅くまで売れ残っている。それには、ちゃんと理にかなったワケがあるそうだ。去年の季節の花めぐりの際に説明を受けた。


そのワケというのは、”大食い防止”のために実の味を不味くしているということらしい。美味しくして、一度に多量に食べられ一カ所に排泄されると、散布範囲が限定されるだけでなく個体の生育にも不利だからだそうだ。聞いてびっくり。自然界の営みは驚異に値する。



このところの秘密法案に対するデモ騒ぎをテレビで見ていると何やら60年安保闘争の時と同じような様相を呈してきた。あの時は自分もワケのわからぬまま授業をボイコットして討論集会にかり出され、国会議事堂前のデモにも参加した。                


いま、デモに参加している人たちの中にもあの法案が通ると日本は戦争する国になるなどと扇動されてかり出されている人がかなりいるのではないだろうか。


「決められない政治」に懲りて自民党に多数の議席を与えた。その結果があのザマでは。もう少しうまくできないものか。安倍さんの祖父岸信介が60年安保の時、右翼やヤクザまで使ってデモ退治したが結局は混乱の責任をとって総辞職。                


祖父の安保改定に対する執念と同じように孫の秘密法案成立への執念はわかるが、混乱の責任をとって祖父と同じように総辞職ではねぇ。せっかく与えられた多数の議席。ドタバタ劇はよして横綱相撲で行きましょう。