諸刃の剣 街頭カメラ


穏やかに晴れて春本番の陽気だ。最高気温は20度超。この陽気で、四つ池の水面から離れてあまり北風を受けない土手のソメイヨシノが五輪、六輪と開花した。ウチの門を出入りするたびに甘い匂いがすると思ったら脇にある植え込みのニオイスイセンが一斉に咲き始めた。イトスイセンともいうらしいが、正式な名前は知らない。


防犯カメラを取り付けたから犯罪件数が激減した、いやそれは単なる偶発的な減少に過ぎないと今わが地域の防犯関係者の間で議論を呼んでいる。人口6万人のわがみよし市には警察署がなく豊田署の三好丘交番がわが住まいのある市内北部地区3万人の安全を守っていてくれている。



この交番管内での犯罪発生は去年25年の実績で一月平均28件。ところが、昨年12月に防犯カメラ設置に関する市の条例が出来てこの交番管内の人口1万人をを擁する学区で11機のカメラの運用を開始したら、今年の2月の管内の犯罪発生件数は9件と統計開始以来最低の件数となった。設置費用は市と住民負担が半々。設置に踏み切った学区が手柄にしたいことはよくわかる。しかし、もうすこし長い目で見た上で判断すべきだろう。


先日の中日新聞のコラム欄に出ていた。大阪の情報通信関係の独立行政法人大阪駅付近に90台設置した監視カメラから個人を識別して行動を追跡して、大規模災害時の避難誘導など安全対策に役立てる調査を計画した。プライバシーの侵害を懸念する声が上がり実験にストップがかかったそうだ。


わが地域では防犯カメラによって、安全、安心、快適な社会に向かっているともいえる。一方で、大阪で実験にストップがかかったように新鋭システムに囲まれてますます息苦しい社会に向かっているともいえる。この二つの事例で防犯カメラ、監視カメラは今更ながら諸刃の剣だということが浮き彫りにされた。車は便利だが、運用次第で凶器にもなる。これと同様、街頭カメラも運用の仕方次第だろう。