穀雨


「初夏の日差しの土曜」「冷たい春雨の日曜」の週末だった。きのう20日二十四節気の「穀雨」文字通り穀物を潤す雨だった。わが夫婦で降らせた雨だった。それというのは、日曜の午前中珍しく夫婦で畑仕事をしていたら周囲から「珍しいことだ。雨が降るぞ。穀雨やで降らんといかん。ちょうど、ええわ」などと冷やかしが入る。案の定、午後には降り出した。夫婦で降らせた穀雨だった。


その雨、週明けのきょう月曜になっても終日降り続いている。サンデー毎日族にとっても、病院の予約があるとか、あの仕事、この仕事が待っていて月曜はブルーマンデー。きょうのように朝からが降っていれば、尚更のことブルーな気分だ。



ソメイヨシノが散って1週間後くらいに気品漂う貴族の衣裳をイメージさせられる緑の桜「御衣黄(ぎょいこう)」が咲き始める。ウォーキングコースから300mくらい離れた休耕田の片隅に1本だけ数年前に植えられたものだ。観察するのをうっかり忘れていた。きのう雨の止み間に行ったがちょっと遅かった。本来、花が開いたときには緑色であるが、次第に緑色は薄れて黄緑色から黄色になり、やがて中心部が筋状に赤くなる。ところが、もう赤くなりかかっている。




この御衣黄桜、遠目に見ると花が咲いているようには思えないが、近寄ってみると気品のある花である。ネットで調べると、オオシマザクラ系の栽培品種らしい。花もソメイヨシノよりずっと大きく3〜4cmはある。花が開いたときの緑色はクリスマスローズの色にそっくりだ。 ...



毎年”穀雨”の頃、庭に牡丹が咲く。春雨特有のしとしと雨ならけっこうなことだが、風雨が強いと花は大丈夫かと心配ばかりしているカミさん。数年前までは雨が降ると牡丹の木に傘までさしていた。今年は肥料が効いたのか6個も咲いた。


「百花の王」と別名があるほどの貫禄だが、何だか大味な感じだ。「大きいことは、いいことだ」の時代は過去のことだ。とはいっても、お隣さんの庭に咲く牡丹は大きい上に気品あふれる風格がある。花も育てる人の性格を反映させて育ってくるのではないだろうか?


たかが暦の上の節気の穀雨、されどさまざまな話題を提供してくれる穀雨の週末だった。