桜とアリの安保協定


日中はからっとした陽気だ。桜の花も散って、桜や楓の若葉が美しい。体感的には「春深し」というより「初夏」の方が適切に思える陽気だ。では、暦の上では春はいつまでか?梅雨入りまでだろうか、いや、きっと二十四節気立夏の前までだろうな。


カレンダーを見ると、今年の立夏は5月5日だ。4月も余すところ1週間もない。いま、まさに去りゆく春を惜しむ季節の真っただ中、と云ったところだろう。去りゆく春を惜しみながらのウォーキング中、若葉の美しい桜の葉をよく観察すると虫食い状態になっている葉っぱがかなりの数、目につく。




先日の「季節の花めぐり」で指導員の先生から「桜の葉の秘密」の話を聞いた。多くの動物は植物の葉を食べる。植物も食べられまいといろんな方法で身を守っている。桜の防衛手段は「用心棒」。葉っぱの下に小さな粒が二つついている。これは「蜜腺」と云う器官で甘い蜜を出す。


この甘い蜜を目当てにアリがやって来る。アリは獰猛な昆虫で、卵からかえった小さな毛虫などは簡単に殺してしまう。つまり、桜は蜜の報酬でアリを用心棒に雇っている。なるほど、桜とアリの安全保障条約だ。


オバマ大統領が国賓としてやってきた。日米首脳が会談してもTPP合意は見送られた。尖閣諸島の安全は保障するから、その代償としてTPPを飲め。外交・防衛協定をエサに経済交渉を有利にしようとする胸の内は素人でもわかる。外交・防衛も経済も同じ土俵の上で勝負しようとするのは筋違いでないか。桜とアリの安保協定の方がよっぽど筋が通っている。