窯垣の小径

瀬戸、窯垣の小径を散策していると入梅はもう少し先のようでも、すでに風が湿っぽい。そよぐ木々が「薫風の季節は終わったよ」と告げている。それも、そのはずきょうはもう6月3日。


生涯学習講座「歴史散歩」古い街並みを歩く は瀬戸を訪ねた。陶祖公園や瀬戸蔵ミュージアムより何と言ってもきょうのハイライトは「窯垣の小径」の散策だった。


瀬戸でも多くの製陶所があった洞町。宝泉寺付近から東に向かう約400メートルほどの路地だが、元々はこの道こそが洞町のメインストリートで、かつては陶磁器を積んだ荷車なども行き交ったという。


エンゴロやタナイタなどの窯を焼く際に使用した窯道具を積み上げて築かれた幾何学模様の壁や塀のある小径を散策。やきものの街ならではの風情漂う光景によって往時が偲ばれる。



三河に越してきて30数年、故郷多治見との行き来には必ず通る瀬戸。その瀬戸にこんな風景が残っていたとは意外だった。あまりにも身近な所だから関心の対象からはずれていたのだろうか。それとも、瀬戸の情報発信力が弱いのだろうか。