歴史散歩  足助


終日うす曇りで少々蒸し暑い日の午後、生涯学習講座歴史散歩の最終回足助へ訪れた。


足助へは幾たびか訪れているが、その魅力はなんといってもその町並みにある。かつては伊那街道、飯田街道と呼ばれた街道の宿場町として栄えた足助宿の面影を今に残す町だ。白壁の土蔵や、格子戸、黒い板壁など、昔ながらの建物が佇んでいて、散策を楽しむことができる。特に今回は今までになかった趣を感じた。それは、何かと云えば電柱の地中化だ。今年の春に完成したそうだ。



安永の大火(1775年)後に復興された町並みは、漆喰塗りの2階建ての町屋だ。足助のシンボル的風景マンリン小路(上の写真)は街道沿いの土蔵を店舗に転用したマンリン書店(左の写真)から山側に向かう小路。敷地境界いっぱいに土蔵や石垣が迫るように建ち並んでいる。


黒い板塀と白い漆喰のコントラストは足助の町並みの中でも最も美しいのではないだろうか。




安永の大火後1776年に建てらえた足助を代表する大商家旧鈴木家の主屋。米国が独立宣言した年に建てられたかと思うと驚きだ。当初は紙を扱う商家だったが、その後金融業、醸造業、新田開発などを手掛けたと云われる。主屋の上屋根と下屋根にわずかな段差をつけた「しころ葺き」形式の屋根に特色がある。





江戸末期の建築当初より現在まで現役で活躍中の旅館玉田屋。


この講座で有松、瀬戸、知多そして足助と4カ所の観光地を訪れ、それぞれの地区のボランティアガイドさんから案内をしてもらった。この4ヵ所で一番メジャーだと思われる足助のガイドさんからは、個人の性格の差もあるが、”心”が伝わってこなかった。観光地としては一番マイナーな存在と思われる知多からは、何とかしてメジャーに這い上がろうとする心意気が伝わってきた。


この4回の講座でその地の歴史やら風土を学ばせて頂いたが、それ以上のものも学ばせてもらった。「たった、ひとり、ふたりの出来、不出来でその地域全体のイメージががらっと変わってしまう」