目黒雅叙園

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暑い。真夏日。今年一番の暑さとか。カラッとしているだけでも救いだ。日曜、月曜は多治見の仲良しクラブの毎年恒例の国内バス旅行。近年はバスを乗り降りしての見学は極力少なく、ホテルでの滞在時間を長くすることに重点を置いての旅行にしている。


今年は14人で東京・目黒雅叙園。見学は浅草浅草寺築地市場だけ。雅叙園は50年以上前の学生時代に従兄会でここに来たことがあるが、後述の百段階段以外あまり記憶に残ってない。ここの歴史は昭和6年に開業した国内最初の総合結婚式場であること。そして、現在は結婚式場・ホテル・レストランなどの複合施設である。ここに至るまでには外国資本の手に渡ったり、経済事件に巻き込まれたり多事多難な変遷をたどっている。



ここの”売り”は「古さと新しさが生み出す美の空間」であり「現代に蘇る豪華絢爛たる空間」と云えるのではないだろうか。その象徴が創業当時のまま残っている「百段階段」だ。                                


ケヤキの板材でつくられた園内唯一の木造建築の通称で、その階段沿いの7つの座敷棟宴会場のうちの4つが東京都の有形文化財に指定されている。当時は「昭和の竜宮城」と呼ばれたそうだ。現在は催し物や、見学ツアーだけの限定公開となっている。



「百段階段」を見学するつもりでホテル着を3時半の計画を組んで行ったのに限定公開でダメと断られた。おばさんパワーは凄い。われら同行の5人のおばさんが、フロント、ベルボーイなど手当りしだいに捕まえて拝み倒して、とうとう専属のガイドまでつけてOKさせてしまった。自らで計画する旅行には、ツアーに参加ではありえない、こうしたハプニングがあって楽しい。


階段沿いに作られた7つの宴会場をすべて解説つきで案内してもらった。戦時中の贅沢禁止令下にもかかわらず、大勢の著名な画家や塗師が出入りし、作品を完成させたという。その結果、数千点にもおよぶ作品を所有し館内を飾ったという。そして美術館まで併設するに至ったが平成14年に閉鎖されて、多くの作品群は散逸したそうだ。