目黒雅叙園 その二


まだ梅雨入り前というのに暑い日が続く。きょうは猛暑日すれすれの気温だったに違いない。そんな中、午前中緑化センターの季節の花めぐりに参加した。カラッとした天気のせいで木陰を歩くと実にすがすがしい。


目黒雅叙園きのうのカキコからあふれた部分はきょうに持ち越した。ここの”売り”は「古さと新しさが生み出す美の空間」であり「現代に蘇る豪華絢爛たる空間」の象徴が「百段階段」であった。園内の随所でその”売り”を具体化したものが目に飛び込んでくる。上の写真はエレベーターの壁面だ。貝殻を用いた伝統工芸の技法である螺鈿(らでん)が施されている。プリントでなく本物だ。




先だって23日のクマさんの日記「衣食足りてトイレ重要空間に」でカキコした。クールジャパンのトップに挙げられるほどの日本の洗浄式トイレとその清潔さ。成田空港にはTOTOのトイレギャラリーまであるそうだ。目黒雅叙園のトイレは現代に蘇る豪華絢爛の空間だ。曲水にかかる朱塗りの橋を渡ると左側が「小」右側が漆塗りの扉の個室。天井には金箔の美人画だ。


今回の旅行で雅叙園に来ることの言い出しっぺは、昨年ここで宿泊したわれらがグループのひとりがトイレに感激して冥途のみやげにぜひみんなに紹介しておきたかったことに始まったのだ。トイレを見るためのバスツアーか。それほどまでに評価の高い雅叙園のトイレなのだ。



この評価の高いトイレは館内のロービーにある。園の利用者でなくても使える。通行人がトイレを借りに来ることだってあるのだ。そんなことが、世間の評判を呼ぶ一因でもあるだろう。


大多数の人が曲がりなりにも「衣食足りた」現在、九州の豪華寝台列車ななつ星」や北陸新幹線の「グランクラス」の登場は鉄道は単なる移動手段だけではなく旅を楽しむツールとしての面がクローズアップされてきた。それと同じように、トイレも単なる排泄場所から快適で心和む空間としての面が重視されるようになってきた。そんなことが、世間の評判を呼ぶ大きな要因ではないだろうか。


年金生活者が階段とトイレを見るだけで東京に行ってスカイツリーにも行かない人たち、何を考えているのかしら。カミさんから嫌味を云われながら行ってきた。あの価値のわからない者に何を云っても無駄なことだ。