せわしない大阪

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ギラギラする太陽の猛暑日が戻った。とはいえ、早朝の四つ池外周道路の歩道に一夜花のムクゲの落花が見られなくなった。季節の移ろいのサインなのだ。また、四つ池周辺の林でのセミの合唱はツクツクボウシとの混成合唱になってきた。これも、またサインだろう。                                   


ブルーベリー園の脇のこんもりとした土盛りの上のパンパスグラスに穂が出てきた。大型ススキと云われるようにススキとほとんど同時期に穂が出てきて、秋が見頃になるのだ。これも、また季節の移ろいのサインなのだ。


自然界はボチボチ秋風が立つサインがではじめたというのに、早くも秋はおろかもうストーブリーグがささやかれそうなのがドラゴンズだ。最下位120%決定なのだ。タイガースに3連敗。タイガースに独走態勢の助走路を敷いてやったようなものだ。せっかちな大阪人、お盆が過ぎたら道頓堀に飛び込む輩が出てくるかもしれない。




大阪在任中、阪急梅田駅をよく利用した。駅の中に動く歩道があり、天井から「あと5m」とか「お急ぎの方のために左側をおあけねがいます」と書いた看板がぶら下がっている。はじめてこの看板を見たとき、ビルのどてっ腹をくりぬいて高速道路が通っている風景とともに、これぞ大阪の象徴と妙な感銘を受けたものだ。


これらの事象が出現した理由がこんなところにあるのではということが5年の大阪生活でおぼろげながら結論づけることができた。たった5年の大阪生活で偉そうなことを云って大阪人に叱られるかもしれないが。




徳川幕府は政治は江戸、経済は大坂と政治と経済を切り離した。商人は、自分の才覚でどんどん変わったことを、人より先にしなければ生きて行けなかった。たえず競争をしている。「時は金なり」であった。また、建前が大事であった武士の社会と違って、商人の世界は本音の社会だった。大阪のせわしなさ、奇抜な発想は元禄の昔から変わらない。


せわしない大阪や、早いとこ優勝決めなはれ。ジャイアンツはCS(クライマックスシリーズ)に絶対出させんようにしてや。ドラゴンズはどうせグリコの看板や、協力しまっせ。奇抜な発想のファンの優勝パフォーマンスが今年はみものだ。