人口457人の都市


きょう10月12日は体育の日。「ハッピーマンデー」の響きはいいが、「10」の並ばない体育の日ではピンと来ない。51年前の歴史的な東京五輪も今では教科書の中での物語だ。1月15日(旧成人の日)も9月15日(旧敬老の日)もしかり。


「運動会シーズンの秋」といっても、最近ではいちがいにもそうでもないらしい。小中学校の運動会は春が主流となっているようだ。「10」並びの体育の日も運動会も、色あせた歳月の中での思い出だ。木々が色づき始めた季節に、運動場を駆けた世代にとってはなにやら寂しい体育の日だ。



三河富山村。10年前の2005年に豊根村に合併するまでは人口218人の日本一小さな村として有名だった。先月のオランダ・ベルギー旅行では、世界一小さい市としてギネスブックに登録されていたベルギーのデュルビュイに行った。


ブリュッセルの東南120kmほどの丘陵地の渓谷にすっぽり包まれるように、かつては世界で一番小さい市としてギネスにも登録されたデュルビュイがある。富山村と同じように町村合併で”勲章”はなくなった。1977年までは人口457人の市だったという。



世界で一番小さい中世の町といわれているが、デュルビュイは中世の頃から法制と交易のシステムが確立された「都市」として登録されていたという。人口は、わずか500人足らず、緑深いウルト渓谷に囲まれる美しい田園が広がるのどかな町だ。                                               


寄り添うように建つ石造りの家、曲がりくねった細い石畳の路地、中世の頃とほとんど変わらない景色が保たれている。さっさと歩いたら15分程度で街中を一周できてしまう。石畳の細い小道に、ショップやレストランが軒を連ね、絵本の世界に迷い込んだような中世の街並みだ。日本でいえば、白川郷妻籠・馬込を合せたような感じだ。



9世紀に起源するデュルビュイ伯の城もある。人口の割に高級レストランやホテルも多い。ツアーのランチもこんな田舎にしては洒落たレストランだった。標高は500メー トルを越えないが夏は涼しく、ベルギーのみならず、 隣国のオランダやフランスの人たちにとっても、格好のリゾート地として人気があるそうだ。