ハーグ、マウリッツハイス美術館


ハッピーマンデー絡みの3連休明けの午前10時少し前、名古屋駅前ミッドランドスクエヤー裏のスクランブル交差点は地下街から出てきたクマさんと同年配のおじさんたちがあふれかえっている。信号が変わると皆同じビルに向かって足早に入って行く。


この人たち、10時開店の麻雀荘に集う人々だ。この人たちの青春時代、”亡国の遊戯”と云われるほど流行ったものだが、若者たちには馴染まないとみえていつのまにか”過去の遊戯”となった。と思いきやおじさんたちの間で根強く生き残っていることを実感した。



アムステルダムから南西に約80km,北海に面してオランダ第3の都市デン・ハーグがある。ここには国会議事堂をはじめとする政府機関や国際機関があって、政治の中心地。皇太子妃雅子さまの父親小和田恒氏が判事をつとめる国際司法裁判所がここにある。


市の中心部に13世紀から17世紀にかけて建てられた由緒ある建物が集まっている地区がある。ビネンホフと呼ばれる地区。国会議事堂、総理府などがあり、日本の霞が関と云った感じ。なかでも一番古いのが「騎士の館」と呼ばれる国会議事堂だ。その周囲に美術館、博物館がある。



デン・ハーグ訪問の最大の目的はそのビネンホフの一角にあるマウリッツハイス美術館だった。この建物は17世紀に貴族の私邸として建てられたものでオランダで最も美しい建物の一つと云われているとか。フェルメールレンブラントのコレクションが多い。一番の売りは有名なフェルメールの「真珠の首飾りの少女」だ。

               

しかし、クマさんにとっての最大の関心事はこの美術館のエンブレムだった。入館の際にもらった館内案内パンフレットに「真珠の首飾り・・・」の絵と共にデカデカとエンブレムが載っている。盗用疑惑の出ていた東京五輪のエンブレム。その盗用元であるベルギーの劇場のそれとどこか似ているような感じだ。


帰国して東京五輪、劇場、マウリッツハイス美術館、3者のエンブレムを並べてみた。素人目には制作上の基盤というか、要素というか幹を成す部分は3者同じに見える。これを、どこまでが盗用というのか、あるいはオリジナルというのか素人にわかるはずもないが、絵画鑑賞よりこちらの方に関心が行っていた。