バランスのとれた報道


朝一番、門まで新聞を取りに玄関を出ると「おぅ、寒い」と思わず身震いだ。そのはずだ。この秋一番の冷え込みだとか。旭川では初雪のたよりだ。今週になって晴れの日が続き、この先もしばらく予報ではお日様マークが目立つ。


寒さに身震いしたような朝も、日が高くなるにつれ目にも胸にもしみる空の青さですっかり朝寒かったことを忘れてしまう。そんな中でのウォーキング、荒れ地の低い雑木が茂る中でひときわ赤の目立つカラスウリの実がそこかしこにぶら下がっている。夏の夜にレース状に神秘的な花を咲かせて蛾を誘惑していた、あの花がこんな風に姿を変えている。



日曜日のテレビの報道番組を見て感じた。コメンテータ―たちはTPPの条約が締結されると例えば、食料が安くなって輸入ばかりに頼るようになる。日本の農業はダメになり、食料需給率が下がって食料危機を迎える。などといったセンセイーショナルな発言が多い。


家計を預かる人にしてみれば、肉やバター、ワインが安く手に入るようになればけっこうなことではないか。社会の公器と云われるテレビなら、こういうメリットもあるが反面こうしたデメリットもあることを視聴者に伝えるべきでないか。A新聞、M新聞系のテレビキー局は体制批判傾向が強い。Y新聞、S新聞系の2局は中立あるいは体制寄りの傾向に思える。



マイナンバー ナンマイダーと聴き違え」がシルバー川柳に入選するほど制度への戸惑があるマイナンバーだ。税金の納付や年金の受け取りがスムーズになることなど利点は多々あるだろうが、わかりやすい説明がまだまだ不十分と思える。マスコミも、体制の監視、批判も使命かもしれないが、利点・欠点をまず国民に知らせ、納得と信頼をえて国の方向が大きく舵を切ることに力を貸すことも使命ではないだろうか。


そんな折も折、こともあろうことかマイナンバー関連の業者選定をめぐる汚職厚労省の役人が逮捕された。大きく舵を切ろうとしている船の航行を妨げるような行為こそ致命的な信用失墜だ。