セイダカアワダチソウのオウンゴール


1週間続きの夏日から一転「木枯らし」とともに新しい週が明けた。けさの最低気温は一桁台で「この秋一番」を更新だ。いっきに秋が深まり初冬の幕開けを予感させるけさの冷え込みだ。じじばば所帯にはストーブが物置から出てきた。日が高くなるにつれ、風もおさまり、いつもながらの穏やかな秋の日が戻った。



この時期上の写真にあるようなセイダカアワダチソウの生い茂る風景はウォーキングの沿道上のあちこちに見られるごく普通の光景だ。それでも、気のせいかもしれないが、一時に比べると人の背より高いような群生が少なくなったような気がする。その反面ススキが増えた気がする。


先週の「季節の花めぐり」でのこと。雑草地で誰かが見つけた「アキノキリンソウ」についての説明に併せ、先生は「セイダカアワダチソウ」についても説明。「へぇ〜」だったので日記にカキコした。以下の通り。


アキノキリンソウもセイダカアワダチソウもどちらもキク科アキノキリンソウ属。アキノキリンソウは日本全国の草原から森林に生育する多年草。花が泡立つように咲くことから別名をアワダチソウという。草丈が1.5mにもなる帰化植物セイタカアワダチソウの方は嫌われ者のレッテルが貼られる事が多いが、花を良く見れば、どちらも美しく、同じ作りで同属であることがわかる。



アキノキリンソウは野山の開発が進んで数を減らしている。一方帰化植物のセイダカアワダチソウはその旺盛な繁殖力でその土地に繁殖していたススキなどの植物を追いやって数を増やした。昭和40年代からのことだった。アキノキリンソウは「軒を貸して母屋を取られた」とも云えよう。


昭和40年代のセイダカアワダチソウは、その根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出してススキなどの植物を追いやるとともにモグラやネズミの糞尿を養分を取り込んで背が高くなったという。



平成の頃になると、モグラやネズミが駆除されて土壌が痩せてしまった。他の植物が衰退してしまったことにより、セイダカアワダチソウはその根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質の影響を自らが受けて派手な繁殖が少なくなった。そして、繁殖の勢いの衰えた土地にはススキなどの植物が再び勢力を取り戻しつつある。


へぇ〜、そうだったんだ! セイダカアワダチソウの伸びる勢いが衰えて見えたのも、ススキが元気よく見えるのも、まんざら気のせいだけでもなかったのだ。セイダカアワダチソウは植物の成長を抑制する化学物質をオウンゴールしたようなものだ。