愛岐トンネル群


日曜からすっきりしない天気が続いたが、きょうの午後になってやっと明るい日差しに恵まれた。定光寺の愛岐トンネル群の秋の一般公開が今年も始まった。21日(土)から29日(日)だ。春と秋に2008年から公開が始まり、春と秋にそれぞれ1回ずつ行っている。秋の紅葉は実にすばらしい。                 



3年ご無沙汰しているので今年こそと思っていたが、連日「きょう用」があり、「きょう行く」ところがあるクマさん。断念した。そこで、メイちゃんパパさんもきのうのブログで今年の紅葉の色付きがよくないことを嘆いておられるので、見頃も過ぎた兼六園の紅葉は後回しにして、3年前の愛岐トンネル群の写真を引っ張り出して行った気分に浸った。この地はそれほど、思い入れのある場所だ。



そもそも、ここはどんな場所か。1990年(明治33年)、多治見と名古屋を結ぶ国鉄中央本線が開通した。その時、庄内川沿いの定光寺から多治見間の8キロあまりの距離に全国でも珍しい14ヶ所ものトンネルが掘られた。1961年複線電化の新ルート開通によりこれらの鉄路が廃線となり、約8キロの軌道敷は放置されていた。その後市民の保存運動でこの廃線敷の一部を買い取り脚光を浴びるようになった。


1900年(明治33年)に中央線名古屋〜多治見間が開通した時そのままの状態での赤れんがトンネル群は「近代化産業遺産群」に認定されている。この認定が呼び水となって観光スポット化した感がある。



8kmほどの間に14もあるトンネルは物心ついてから、いや社会人になってからでも通勤でお世話になっていた。蒸気機関車だからトンネルに入れば煙が入ってくる。夏は窓の開閉に忙しかった。トンネルに入っている間は蒸し風呂状態だった。
                                                  


トイレは垂れ流しだったから、停車中は使用禁止だった。その時の癖のせいか、今時新幹線に乗っても走行中でないと使用できないような気になる。3年前多治見のガキ仲間のブログにこの愛岐トンネル群を投稿したら「半世紀前に通勤通学途上で互いに使ったタレ流しトイレのおかげで土壌が肥えて木々がよく育ってるねぇ」とコメントが返ってきた。



半世紀近く放置されていたことが幸いし、数百本のモミジをはじめとする樹木や草花が群生繁茂して豊かな自然と遺産群が共生している。