夫婦の道

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小春日和が続く。夕方から怪しい雲行き。あすは雨降りの予報。霜が降りる前にキウイの収穫をと云われているので、来週1週間は旅行とあって、きょうあたりがラストチャンスと婦唱夫髄(夫唱婦随ではない)での作業日だ。2年くらいまえにオスの木は枯れてしまったというのに、ことしもほゞ30kgの収穫があった。中には写真にあるようなひょうたん形のものまである。


キウイフルーツが霜がおりる前にキウイの木から姿を消すように、11月の初めの頃から咲き始め霜がおりると姿を消す花が皇帝ダリア(木立ダリア)だ。大人の背丈の倍以上もあるような枝の先で、紫がかったピンクの花びらが、吹く風に合せ、時に小刻みに、時にゆったりとゆれている。引退の時期も間近だ。



夫唱婦随とか婦唱夫髄といえば、11月22日は「いい夫婦の日」だった。ラジオのきょうは何の日で云っていた。<コミニケーションが苦手だといわれる日本人の夫婦が互いに感謝の気持ちをかたちにするきっかけとするために余暇開発センターが制定した>と。


どうせ、天下り官僚の受け皿団体が決めただろう。いらん、お節介だ。お上に夫婦間の心の機微のことまで口出ししてもらわなくてもいい。それに、いい夫婦かどうかは他人が決めることだ。


何年か前の新聞の書籍の広告の切り抜きがファイルしてある。「夫婦は”気配り”で9割うまくいく」という本の広告だ。 ちょっと気づくだけで二人に世界はみるみる変わる。 などとの触れ込みだ。




妻が嫌だと感じること                          
1. 食事の時「いただきます」ともいわず、料理に関心も示さない
2. 妻が重い荷物を持っていても気づかない
3. 妻の体調が悪いのに手伝ってくれない 
        

夫が嫌だと感じること
1. 夫に命令する
2. 素直でない
3. 帰宅するやいなや不満をぶつけられる



妻が夫が嫌だと感じること、それぞれ10番まで列挙してあった。いまや、ハウツー本やマニュアル本が受けているようだが、夫婦関係までマニュアル本が出てくるということは「もの」が豊かになるに比例して「こころ」が貧困になった証拠ではないだろうか。



妻・夫が掲げた嫌だと感じること、互いに「相手にわるい」と思いながらついつい・・・・だろう。要は「気配り」というブレーキがどれだけかけられるかだろう。この本にブレーキの後押しをしてもらうなんて恥を知れと言いたい。


お上に夫婦間の心の機微のことまで口出ししてもらったりして、金太郎飴みたいなマニュアル通りの夫婦の道でなく100組の夫婦があったら100通りの夫婦の道があり、それを自分達で切り開いてゆくのが夫婦の人生だろう。なぁ〜んちゃって、ちょっと、キザな云い方しちゃったかな。
「君が好き  もいちど聞いたら  黄身が好き」