修道院の写真


最低気温が氷点下前後の朝、ウォーキング中の頬を刺すような冷たい風の中に淡い春を感じるのは、日中その風の中で光のまぶしさを感じるときだ。そんな日が3日も4日も続いている。けさもそんな日だ。光はいつも、気温に先駆けて春の到来を告げてくれる。2月のことを「光の春」とはよく云ったものだ。


今年の2月はことのほか「光の春」の感じが強い。そのわけは今週、家の周囲の木を、柿、八朔、金柑各1本を残して全部切ってしまった。垣根の山茶花も半分ほどの高さに剪定してしまった。業者が3日がかりでやってくれた。20年前に苗木で植えたものが育って、家の下の道路からウッドデッキが隠れてしまうほどだった。光を遮る障害物が少なくなった分、明るくなった。「光の春」が倍増したのだ。




「自分史」の素材集めで古いアルバムを探していたら多治見の修道院の写真が出てきた。思い出深い写真なのだ。その理由は後述するとして、クマさんとカメラの出会いは小学校5年生の時に遡る。お年玉を貯めて「スタートカメラ」というおもちゃに毛の生えたようなカメラを買った。嬉しかった。今持っているキャノンのコンパクトデジカメが何代目になるか記憶にないが、その「スタートカメラ」はクマのカメラ人生の原点だった。


中学2年の時旺文社の雑誌「中学時代」のカメラコンテストに応募入賞して雑誌にも掲載された。このときカメラは兄の二眼レフを借りて撮った。その写真がアルバムを探していたら出てきた多治見の修道院だ。この修道院と虎渓山の永保寺が多治見の二大観光施設だ。(写真が傾いているのは、スキャンの仕方が下手なため)



このカトリック修道院昭和5年に建てられた。木造で地上3階地下1階建のバロック建築。3万平米の敷地の中に建っている。敷地内にぶどう園があり、戦前から教会ミサ用のぶどう酒を全国の教会に供給していたという。現在はワイン祭りが毎年開かれているようだ。


近くに親せきがあって、子供の頃修道院へよく遊びに行った。ぶどう園にはシェパード犬が放し飼いにしてあり、怖くて近寄れなかったことをよく覚えている。「自分史」を書き始めなければ、この写真も、思い出も素通りで旅立ってしまったのだろう。いい機会だった。