季節のターニングポイント「雨水」


二十四節気「雨水」。文字どおり春らしい陽気になった。最高気温15度くらいのはずだった。丘陵の菜の花畑の葉の色が一段と濃くなったように見える。やがて黄色になって見事なモザイク模様の丘を演出してくれるのだ。



「雨水」は確かに冬から春への季節のターニングポイントではないだろうか。「雨水」を境に春モードになるのだ。朝、目覚めてカーテンをあけて、思わず「枕草子」の「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。」が頭をよぎった。


真夏を除けば朝起きるのはだいたい6時半。ついこの間まではまだ暗い。この時期になると夜明けの時間で、外はもう明るい。余程のことがない限り氷点下の朝もない。徐々に白くなって行く山際が少し明るくなって、むらさきがかった雲が細くたなびいている。春が来たと実感できる、この風情がいいのだ。「雨水」の頃になると、普通の人が起きる時間に外が明るくなる。これがターニングポイントで春モードになるのだ。



昔から言われるように「雨水」が来たら春野菜の準備をはじめる。けさのウォーキングでも「じゃがいも植えた?もう、やらないかんねぇ」が挨拶だ。ここにもターニングポイント「雨水」があった。


昔から言われている「雨水」から取り掛かるのが「雛飾り」だ。ウチは3人の娘が皆出て行ってしまって”元”しかいない。飾ることもなし。先だっての日曜、多治見での会合の帰りに定光寺・瀬戸に立ち寄った。瀬戸の「瀬戸蔵」の”ひなミッド”を見物。高さ4mのピラミッド型11段の巨大ひな壇だ。                   



約800体の陶磁器・ガラスの創作雛が並んでいる。「ひな壇高きをもって尊しとせず、品格ある人形をもって尊しとす」だ。なんでも高けりゃええ ちゅうもんでない。車の中にカメラをおいたまま瀬戸蔵に入ってしまった。写真は4年前撮ったものだ。


何にせよ、一般家庭では「雨水」を機に「雛飾り」を始めるのが多いようだ。やっぱり、これを機に春モードになるターニングポイントだ。


※ 2006年6月からスタートした「クマさんの日記」。半年ごとに1冊の本に製本している。2015年7〜12月分で19冊になった。18冊目まで製本した業者がこの業務をやめてしまい、新たな業者に今回初めて注文した。今度の業者は装丁のデザイン見本も豊富で文中の写真の印刷もきれいだ。