ケムたい話


週末から週明けは土曜は雨、日曜は青空、月曜は雲と日替わりで主役が変わった天気だった。「春は曙」で目覚めもこのところ早くなった。久しぶりに聞くラジオ深夜便。きょうの誕生日の花は「ノースポール」と伝えていた。ウチの庭でも咲き始めた。


久しぶりにまとまった雨が降った土曜日、朝から夕方まで名古屋の駅前で麻雀。毎月1回の異質のメンバーとの対戦でエグゼクティブルームと称する個室でする。雑音が入らず静かでいいが、ふたりのヘビースモーカーに挟まれての8時間はいつものことながら閉口する。まして、自分ともうひとりの非喫煙者は2年前に肺がんの手術をした男なのだ。


「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」「人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます」ふたりのスモーカーはこんな警告表示いつも目にしていよう。しかし、ふたりの口からは警告文を読んだからやめようと思うなんていうことは、ついぞ聞いたことがない。



いまのような表現で効果があがるだろうか、疑問だ。海外では、「喫煙は死に至る」と断じたり、副流煙の被害を訴え「私達に毒を浴びせるな」とじつにストレートだ。4年前マレーシアに行ったとき、クラルンプールの空港の免税店でのカートン入りのたばこ。カートンの半分くらいのスペースを割いて銘柄ごとに異なった悲惨な写真を貼り付けている。「たばこは早産の原因」「たばこは流産の原因」「たばこはがんの原因」などだ。こうまでしないと、喫煙者は減らないだろう。



そうではあるが、と財務省などは複雑な心境だろう。どぎつい表示でたばこ離れが進めば業界が困る。税収も減る。たばこ税はいざというときの頼みの綱だ。なんて甘いことも云っておられない状況になってきた。クマさんや肺がん病み上がり男にとっては歓迎すべき事態だ。                                


ひと月ほど前の新聞記事によると政府は東京五輪に向けて、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止対策強化の一環として罰則付き法律制定の検討をはじめたという。政府も五輪がやってくるから、この国のメンツにかけてやろうなんて、どこかの新興国みたいなことを云わずに、国民の健康に配慮して自発的にやってほしかったなぁ。たばこ農家の票が惜しいとか、財務官僚の抵抗があるからなんて、そんなケチなことは云わないでほしい。