連ドラ「とと姉ちゃん」に思う


舗道に貼りついた桜の花びらもきのうの風ですっかり掃き清められた。春先に戻ったかのようなけさの気温だ。差し込む光だけは春真っただ中だ。丘陵地に広がる菜の花畑がまばゆいばかりだ。庭の花壇に咲く花も春真っ盛りだ。ジャーマンアイリスの白が目に痛いほどに映る。



「つかみのうまい芸人」とか「つかみのうまいドラマ」などと云われることがよくある。つまり、相手の気持ちを惹きつけきつけることだ。テレビで映画を放映すると最初の20〜30分間はCMが入らない。視聴者をひきつけるためだろう。この手法も広い意味の「つかみ」かもしれない。


NHKの朝の連ドラ「とと姉ちゃん」が始まって2週目になる。毎日が退屈な15分だと感じるのは自分だけではないと思う。「清く、正しく、美しく」「安心、安全、清潔、正確」これらのコピーがぴったりの文部省推奨道徳劇の感じがする。「つかみ」がない。


ドラマとしてのヤマ場は戦後に三姉妹で雑誌「くらしの手帖」の創刊に至る経緯や名編集長花森安治をモデルにした人物との出会いなどがあると思う。また戦後昭和史として、復興して行く姿や家族愛を見て行く見方もあると思う。



それにしても、これまでのところでは退屈なドラマだ。民放だったら、CMタイムになったらチャンネルを変えられること間違いなしだ。その点「あさが来た」は、週ごとに起承転結があり、毎日次の日を見たくなるような終わり方をしていた。


このドラマのことがこんなに気にかかるのにはわけがある。本屋の倅だったからこれから出てくる雑誌「暮らしの手帖」のことは色々と思いがある。第一に広告のない雑誌ということでユニークな存在だった。第二に半世紀も前から商品ごとに(主として電化製品だった記憶)各メーカーごとの商品テストをして公表していた。第三に良く売れた雑誌で学生時代配達をよくした。


こんなに思い入れのある雑誌を創刊した人たちのドラマだから、その展開に興味があった。ところが既述のとおりだ。どうせ、サンデー毎日。せっかちにならんとこの先に期待しよう。