人生レース


昨夜からの雨も上がり、日が高くなるにつれて日差しも強くなった。予報では、夏日になる所もあると告げていたほどだ。陽気がいっきに初夏に向けて動き出した感じだ。もうこれで、寒の戻りとも決別だろう。


野に里に木々の若葉がきのうの雨に洗われて一層輝きを増している。家庭菜園のシンボルツリー「ケヤキ」、いつの間にかすっかり若葉に覆われている。去年の年末には、下の写真のように丸裸状態だったのだ。時候の動きにつれて生まれる野や里の微妙な変化に情緒豊かな季節の移ろいを感じる。



寒の戻りとの決別ともなれば、ストーブを片付けねばなるまい。ウチではパソコンの部屋はストーブを使っている。先日のような寒の戻りがあると、灯油を新たに買うかどうか迷う。できれば、ストーブのタンクにも買い置きのポリタンクの中にも灯油は残さずに物置にしまいたいからだ。ゴールが何メートル先にあるかわからずに競走するようなものでペース配分がまったくわからないのだ。たかが灯油の話だと思うことなかれ、これが人生の縮図ではないだろうか。



サラリーマン人生は大体ゴールの年齢が決まっているからそれに合わせて人生設計が立てられる。第二の人生はゴールが決まっていない。第二の人生でやりたいことをやって誰にも迷惑をかけずにコロッと行けば理想だが、なかなかそうは行くまい。 ポリタンクに買い置きしておいた灯油を季節の変わり目に合わせてちょうど全部使い切ることは至難のワザだ。


何といっても厄介なのは、第二の人生レースは何m競走かわからない。途中から障害物競走になるかもしれない。長距離走に備えてチマチマと走っていてはレースが楽しくない。そうかといって自由な時間ができたからといって笛や太鼓でドンチャンドンチャンやっていたら灯油が底をついてしまう。第二の人生の灯油はストーブの灯油と違って買い足しがきかないのが難点だ。