運転免許高齢者講習


快適な日和続きの週末だった。ほとんど田植の終わった田園地帯を歩くとつばめが飛び交い、かえるの合唱が賑やかだ。丘陵に向かうとひっそりと静まりかえり、深山幽谷の趣のある谷あいの舟ヶ峪池に今年も睡蓮が咲きはじめた。尾根筋の畑の土手では紫陽花が開花スタンバイOKのシグナルだ。5月も半ばを過ぎたこの週明け、周囲の景色は初夏の趣を増してきた。朝から雲が主役の空からは夕方からとうとう降り出した。



土曜日、豊田の自動車学校で運転免許の高齢者講習を受けた。この講習は今回で2回目だ。今回は認知機能検査が加わった。76点以上は記憶力・判断力問題なしのところ、92点だったから安心した。その他に、シュミレーション運転による運転適性診断と実車走行診断もあった。この日の受講者6人のうちで仮免試験に合格できるほどの成績の者は一人もいなかったとの講評が最後にあった。



器具を使った3種の視力検査があった。動体視力と夜間視力と水平視野だった。目の機能が若いときと比べどの程度劣化しているか自覚するための検査だ。視野の検査は水平視野の検査、つまり左右の目がそれぞれ何度の角度まで見ることができるかということだ。右83度左85度合計168度だった。70代の標準は130〜170度だから、クリヤーしている。


緑内障で左右の目とも上半分の視野が欠けているクマさんにとってこの視野検査のやり方には、一言云いたかったので最後にあったアンケートに意見を述べておいた。




パソコンのエクセルで表をつくりプリントしようとするとき、「ページ設定」を開き「余白」をクリックすると「水平」「垂直」それぞれの頭の□にレ点を入れて表が紙面の上下左右の真ん中に収まる措置を施すのが普通だ。ことほど左様にせっかく視野の検査をするならば水平・垂直の両方をしなければ片手落ちだ。


きょう発売の週刊ポストの新聞広告。「緑内障友の会 患者たちが語る 思えばあの時から・・・」記事は読んでないが何を云わんとしてるか予測はできる。自分がそうだからだ。緑内障は何かが起こってはじめてその原因がわかる。クマさんのように上半分以上の視野が欠けている場合、運転中信号を見落として事故を起こし緑内障がわかる人が非常に多いと云われる。
                                         


幸い、自分は卓球をしていて高く上がった球が急に見えなくなり手元に落ちてきて球の存在がわかった。眼科で検査してはじめて緑内障と知らされた。信号の見落としが怖いから、初めて行く土地はカミさんに運転を任せるようにしている。水平検査だけだったらクマさんは正常で通ってしまう。垂直検査をしたら完全にアウトだ。


病院の視野の検査では360度上下左右遠近すべて網羅した検査で上の写真でわかるように黒くなった部分が視野の欠けたところが一目でわかるようになっている。高齢者講習では今やっている簡便な方法の水平の検査をするなら、同様の簡便法で垂直もすべきだと思う。水平検査だけクリヤーして視野はすべてOKだと思い込む人も出るかもしれない。クマさんのような症状の人がもしいたら却って罪作りなことだ。それならいっそ水平検査はしない方がいい。