木曽の草花・森林鉄道


青空が戻ったら夏の日差し。どうやら真夏日のようだ。グラウンドゴルフでボールを打ち興じるジジババの中には誰一人くたばる者は出ない。みな元気だ。



木曽路はすべて山の中である」。国道19号上松から西南の方向に10km、山の中に入ると面積約700haもある赤沢自然休養林になる。標高は1000〜1600mだ。ここまで来ると、三好あたりでは見かけない珍しい草花が身近な所でお目にかかかれる。森林鉄道記念館に併設された森林鉄道乗り場。その周囲でオオヤマレンゲ。ここ上松町の町の花だ。


標高1000〜2000mの山地に自生している。樹高は2mほど。直径5〜6cmでハスの花に似た白い半球状の花だ。開花時期は5〜7月。全国各県では絶滅寸前又は絶滅危惧種に指定されているそうだ。ここのものは、環境省から自然公園指定植物に指定されているそうだ。



この白くなった葉を見てハンゲショウと思った。しかし、ハンゲショウの葉が白くなるのは7月の初め。しかも、湿地に生えてない。よくよく聞いたら、これがマタタビというものだ。6月下旬から7月の初めに直径2cmほどの白い花を咲かせる。その時期にハンゲショウと同じように葉を白くさせ昆虫を誘導するサインとしているとのこと。


長野県のこの地方ではマタタビの葉を風呂に入れて入浴したり、茶にして飲む習慣があるそうだ。マタタビのネーミングは旅人がその実を食べたら元気が出てまた旅が続けられたことからとのこと。この地方の習慣とネーミングが符合する。なるほどね。観光協会のボランティアのおばさんが、客も来ないのでバードウォッチングをしながら草花の説明をしてくれた。



木曽の木材運搬は江戸時代は河川を利用、大正末期に森林鉄道に変わった。戦後の高度成長時代に入ると森林鉄道の延長距離は500kmにも及んだ。自動車の時代を迎え、木材運搬はトラックに移った。森林鉄道は昭和50年上松・王滝間を最後に全面廃止となった。


昭和60年、御神木伐採の際鉄道が利用されたのを機会に同62年森林鉄道記念館〜丸山渡間1.1kmを観光路線として森林鉄道が復活した。運営は上松町の指定管理者上松観光開発が行っている。森林鉄道記念館の周囲には森林資料館や森林交流センターがあり、自然休養林散策コースが1.5km40分のコースから7km2時間のコースまで8コースが設定されている。


鉄道に乗っている間に雨が降り出したため森林浴の散策はやめたが、改めて行く価値のある観光スポットだと思った。秋の紅葉は美しいに違いない。