ゴールデンバット


予報通り午後から雨。おかげで、午前中にいつものウォーキングも庭の草取りもできた。ラジオ深夜便によると、きょう6月29日の誕生日の花はクチナシ。先週行った緑化センターに一見バラかと思うような、直径15cmはある 渦を巻いた花びらのオオクチナシの大輪があった。この機にお披露目だ。


ついでながら、きのう28日の誕生日の花はササユリ。山の中へ行かないとお目にかかれないこの花。せっかく、けさのウォーキングの際、路傍で出会ったユリの群生で我慢するとしよう。



2週間ほど前、名古屋に行ったとき街を歩いていてたばこ屋にゴールデンバットが並んでいたのを見つけた。このたばこ、まだ健在だったのだ。われわれの記憶では一番安くて一番まずいタバコという印象だった。それを逆手にとってみんながハイライトを吸っている飲み屋なんかで”粋がって”ゴールデンバットなんかを吸っている奴もいた。


折も折、きのうの朝日新聞天声人語に「ゴールデンバットの歴史」が書かれていた。それによると、このたばこ、今年で110年、日本たばこ産業(JT)きっての長寿商品らしい。1906年の発売時には10本入り4銭。ブランドにコウモリを使ったのは、コウモリが幸運の象徴とされる中国向けの輸出用ブランドとして企画された事情があるようだ。



戦時中には外来語を追放する運動により、名が神武天皇の弓にとまった金色のトビ、金鵄(きんし)の伝説に由来する「金鵄(きんし)」に変わった。元の名に戻ったのは占領期。2005年には新警告文を載せるためにパッケージの体裁が大幅に変更され写真にあるようなものになった。


110年もの長寿商品に繋がった理由は何だろう?クマさんなりに推測してみた。大衆向けの紙巻きタバコで、かつては細身の巻きを特徴としていたらしい。発売当時から爆発的に流行るようなことはないが、熱烈かつ根強い愛用者が常にいたことではないだろうか。


発売110周年を機にゴールデンバットの改良が発表された。フィルター付きになり、今の210円から50円高い260円にリニューアルされた。専売公社がJTとして民営化され採算がとれなければとっくにこの世から葬り去られているはずなのになお健在だ。紙芝居のスーパーヒーロー黄金バットが既にこの世から忘れ去られようとしているいま、ゴールデンバットは市場がまちがいなく先細りといった状況下で果たしていつまで飛び続けるだろうか?