起立性調節障害


蒸し暑い天気でも、きのうとは違ってにわか雨に見舞われることもなく一日が過ぎた。もう、やがて8月も下旬と云うのにこの町は「お盆バカンス」の最中。この暑さの中でも、家庭菜園にチラホラ人影が見える。ニラの花のまわりでは小さな虫が飛び交い、アリが花にしがみついてゴソゴソうごめいている。


畑のどこを見ても、黄色いオクラの花が目立っている。この暑さの中でも涼しげに咲いている。実の成長が早く、収穫時に目こぼししたものが、2、3日もしたら小さなバナナくらいになっている。地を這うように濃い緑の葉が生い茂る中、鮮やかな黄色の花を咲かせているのは落花生だ。焼けつくような菜園でも植物たちは元気そのものだ。


中1のサッカー少年の孫、あれほど元気にサッカーに精を出していたのに6月頃から、朝具合が悪くて起きられない。10時頃に遅刻で登校したり休むことがしばしばあるらしい。いじめに遭って登校拒否しているのではないか。勉強について行けず、サボっているのではないか。


晩飯に連れて行けば、回転寿司だったら10皿以上食べるし、焼き肉だったらお代わりもする。そんな状態にまったく気がつかなかった。娘も心配するといけないからとジジババには話さなかった。ところが、ひょんなことからそれがわかり、ジジババは「どうしたもんじゃろのぉ」とおろおろするばかり。



おとといの毎日新聞の「医療・福祉」欄で「朝、具合悪くて起きられない」「起立性調節障害に悩む若者」「治療法未確立」の見出しが目についた。読んでみると、急激な体の成長に伴い循環器系の自律神経が不安定になる思春期に多い病気。不登校児童生徒の約4割がこれに該当するらしい。


患者の大半は、成人すると体と自律神経のバランスが整い症状が出なくなる。専門医は今年度から、一般の医療機関でも病態や重症度を把握できる指標づくりに乗り出したそうだ。娘にこの新聞のコピーを読ませた。


学校の先生は新聞に出ているような状況を把握していて、怠け者のレッテルを貼らないようにすることと、専門医の診断・検査結果を知らせるよう云われている。検査結果は9月にならないと出ない。ジジババにはその結果が出たら話すつもりでいた。悪く思わないでネ。と娘からの連絡。



昔は風土病として片づけられていた水俣病や新潟・阿賀野川水銀中毒が医学の進歩や検査技術の進歩で公害病であることがわかったように、男にも更年期障害があることがわかったり、この「起立性調節障害」のような思春期障害まで解明されるようになってきた。親が子や孫を思う気持ちだけは永遠に変わらない。