平日昼オケ、昼雀荘大繁盛


スーパー台風が沖縄から九州の西北をかすめて本州の日本海側に向かっている。その前触れだろうか、朝から生ぬるく湿っぽい風で不快指数は上がる一方だ。


先週の木曜ときのうの月曜、名古屋の駅前の麻雀荘で朝10時から夕暮時まで麻雀をした。その麻雀荘名駅前ミッドランドスクウェアーの裏にある6階建てのビルの3階、4階併せておよそ50卓ある。両日共ほぼ満席だった。一昔前には、学生街にある麻雀荘ならいざしらず、ビジネス街のど真ん中にある麻雀荘が平日昼間に満席になるということなど想像だにしなかった現象だ。



先週の火曜の中日夕刊にこんな記事があった。日本では、オーケストラの公演は平日の夜や土日、祝日が当たり前とされてきた。そんな定説を覆し、東京で今夏の月曜午後2時から東京フィルハーモニー交響楽団が「平日の午後のコンサート」を開いたところ、1500人入るホールは満席になった。


東京都交響楽団も今年度定期演奏会8回のうち3回を平日午後2時開演にしている。新日本フィルも今秋からの定期演奏会を平日昼にも開催。NHK交響楽団も来年から一部の演奏会を平日午後3時開演を予定しているという。


東京フィルが「平日午後」を試みたのは、シニア世代の支持を見込んだからだ。来場者へのアンケート結果をみると、従来からの定期演奏会来場者平均63歳。「平日午後」は60歳。東京都響の広報担当も「平日午後」は男女とも現役世代が多かった。とのコメント。両交響楽団の共通した分析結果は「仕事がすべてという価値観が変化している」ということだろう。



「消費が伸び悩み」と云われるが、供給側が消費者心理をくすぐるような商品をつくらないからという一面もあると思う。スナックが昼間はカラオケ喫茶に衣替えして施設の有効利用と同時に夜の客の新規開拓。客は格安料金で歌える。両者の利害が一致して繁盛しているという。ビジネス街の麻雀荘はスナックの理屈と同じことだろう。


「平日午後コンサート」も施設の有効利用と新規顧客の開拓だろう。ハコモノ(ホール、麻雀荘、スナック)といった供給側の「もくろみ」と「仕事がすべてという価値観が変化している」シニア世代、「元気で長生き」をめざし「「教養(きょう用があり)と教育(きょういくところがある)」に磨きをかけるリタイヤー世代の利害がうまくあった例ではないだろうか。