道東の野生動物


北海道知床は野生動物の宝庫だ。ヒグマやエゾシカとこんなに近い距離で出会えるのだ。流氷のシーズンには、オオワシオジロワシを観光船で見に行く流氷バードウォッチングのツアーやホエールウォッチングのツアーもあるそうだ。日常ではなかなか出会えない生き物たちを見に行くのも、観光の醍醐味だ。


斜里市街から知床岬方向に30数km、半島の付け根あたりの北西側がウトロ、知床峠を挟んだ南東側が羅臼で知床観光のふたつの拠点となっている。ツアーではウトロから18km先にある知床五湖を訪ねた。曲がりくねった山道でヒグマが道路を横断するのに出くわした。



各地で人里や市街地周辺に出没するクマが話題になっているなか、知床では人間とヒグマの共存を”売り”にしていたが、それが危ぶまれる事態が頻発しているそうだ。クマと人との遭遇による事故を避けるため、人前に現れたクマに、花火で大きな音を立てたり、ゴム弾を撃って痛みを覚えさせたりして、クマが人間を嫌うように学習させてきたそうだ。


また、人とヒグマがむやみに接近せずに観光ができるよう、知床五湖のうち一湖までは高架木道が設置されている。
ツアーでは時間の関係もあって一湖しか見ることができなかった。



エゾシカ奈良公園や宮島にいるニホンジカの仲間。ニホンジカよりも一回り大きな体をしており、大きな個体だと体重が170キロになるものもいるんだとか。またニホンジカに比べてオスのツノが大きく立派になるのも特徴の一つだとか。



道東の屈斜路湖では、毎年11月上旬〜4月上旬ごろ、砂湯の付近に白鳥が飛来する。屈斜路湖は、地熱が高くて真冬でも結氷しない部分があるため、多くの白鳥が羽を休めることができる。そして春の訪れとともに北に旅立つという。


暮れなずむ空と云っても、そこは「つるべ落としの秋の空」だ。そんな時刻に屈斜路湖に訪れた。真っ白な白鳥も黒いシルエットにしか写らない。ここでの白鳥はすぐ近くで観察することができ、飛んでいく白鳥の美しい姿も間近で見ることができる。