正義の声だけではすまされない


朝から雲が主役。思いついたように時折差し込む日差しが、あらためて日光の温かみのありがたさを感じさせる。
  
2.3日前、新聞もテレビも小田原市生活保護を担当する職員が「保護なめんな」「不正を罰する」といった受給者を威圧するよな文字をプリントしたジャンパーを着用して仕事をしていたことを取り上げていた。確かに適切な表現とはいえない。同時に人権意識を糾弾するだけで済ませてならない問題だと思う。


正義の声だけがまかり通れば現場は疲弊するばかりだ。生活保護の受給者は年々増え続けている。暴力の危険にもさらされている。ジャンパーを作ったきっかけも職員が生活保護を打ち切られた男にナイフで切りつけられ負傷した事件だった。改めて光を当てる機会にすべきだと思う。                            




かといって「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」でも困る。2001年と02年にわがみよしにある名古屋刑務所で起きて話題になった。受刑者に甘い顔していたらなめられて統制がとれない。そこでお仕置きに消火ホースで水をかけて受刑者を死亡させた事件、受刑者の身体を革手錠で締め付け死亡させた事件が起きている。


繰り返すようだが、生活保護の現場で実態からかけ離れた正義の声だけがまかりとおれば、悪戦苦闘する人たちが疲弊するばかりだ。かといって「すぎたるはなお及ばざるがごとし」では困る。熊さん八っあんには、こうとしか言いようがない。