「ひだまりのつどい」に思う


朝の青空に騙されて、傘も持たずに名古屋へ出張麻雀。用意周到さが欠けて、これでは勝てるわけがない。反省。


我らが麻雀荘緑一色のオーナーHさんは夫婦揃って”めんどうみ”がよい。新興住宅地の住民同士の触れ合いを目的に2005年から地域の公民館で毎月最後の土日に「ひだまりのつどい」を主宰していた。そこでは、地域の老若男女がカフェでコーヒーを飲んでおしゃべり、バザーで新鮮野菜の買い物を楽しんでいた。2日間で70〜80人の人が集まっていた。


2013年会場である公民館の長期改修工事の上、運営スタッフの高齢化で活動の継続が困難となってきた。だが、開発後20年も経った新興住宅地も高齢化が進んできた。身近に集まれる場所の確保をHさんは痛感していた。折しも自営の建設業が後継者がなく廃業した。自宅に併設する事務所をみんなが集まれる場所に改造、カラオケ機器も設備した。



現在Hさん宅では毎月2回の木曜に「ひだまりのつどい」。15〜16人がアットホームな雰囲気で食べ物を持ち寄っておしゃべりをしたり、足湯に浸かったりしている。昨年の10月からは毎月最終金曜の夜、夜版「ひだまりのつどい」(夜にひだまりは不自然、月光のつどいとでもいおうか。メンバー間では通称居酒屋)。飲み物食べ物各自持参。毎回20人くらい集まる。


先だっての土曜には、Hさん宅のリビング、ダイニング全部開放して、「ひだまり」と「月光」が合同で、クインテットの演奏を聴いた。わが老人会のメンバーのひとりがリーダーをしているこのバンド、キーボード、サックス、エレキギター3人の計5人で歌謡曲やポピュラーを演奏。(一番上の写真)畳の上での演奏もめったに聴けるものでない。



現役時代に思い描いていたセカンドライフは、カルチャーセンター、図書館、スポーツクラブだった。それが、この地で迎えた第二の人生は、そんな洗練された都会的なものとは違って、少々泥臭いが人間味あふれた非常に中身の濃い充実した日々だ。つれあいに先立たれ寂しい思いをしている人たちも、「ひだまりのつどい」では生き生きとしている。


Hさん夫妻の人間味とリーダーシップにこの地域の人達は皆敬意を表している。それに対して「寂しい思いをしている高齢者をよく聞く。形を変えながらも、続けていきたい」と常々語っているが、寄る年波には勝てない。これまでやってきた生業と同様後継者がいない。新興住宅地の住人は優等生サラリーマンばかり。彼等では、Hさんのような破天荒人生の”だし”が効いた人間味は逆立ちしても出ないだろう。少しでも、長く続いてほしいものだ。