「堀川」と名古屋の魅力


春らんまんの陽気になった。こんな陽気が2日も3日も続けば、桜の満開もいっきに加速するだろう。わが家から見下ろす四つ池の桜並木も、まだまだ冬と同じ色だ。もうそろそろ、白いものがちらほら混じって見えてもよさそうなものだが・・・。グラウンドゴルフをしていても汗ばむほどの陽気だから、開花の遅れを取り戻してほしいものだ。


人口でも経済力でも日本屈指の都市でありながら、名古屋は昨年「行きたくない街ナンバーワン」の不名誉な称号を得た。その対策が最近ちらほらと報道されている。魅力のない原因のひとつを「川」という切り口で考えた。


東京には隅田川、大阪には淀川とシンボル的な川があり、それらを題材にした数々の詩歌、小説、ドラマなど文化を生み出している。名古屋の堀川はどうだろう。名古屋開府に際して、伊勢湾から名古屋城の間に掘られた運河がそのルーツといわれている。


堀川にはわずかに取水している庄内川以外には、新しい水の流入が少ないことや生活排水が流入することから水質汚濁がひどい。そんなことから、文化の生まれる素地にはなりにくい。「堀川七橋」などもあるが、誇張した表現ではあるが「八百八橋」の大阪に太刀打ちできるものでもない。



都市の魅力のアピールにはもってこいのご当地ソングの歌詞の中に「堀川」を入れたら却って名古屋のイメージを損ねてしまう。いきおい石原裕次郎が唄う「白い街 白い街 名古屋の街」になってしまう。昭和40年代の初めだったと記憶する。「函館の女」や「加賀の女」ほどの大ヒットにはならなかった。ポテンヒットにもならなかっただろう。


いや、ポテンヒットならまだいいが、名古屋は緑の少ない殺風景な白い街というイメージを世間に抱かせてしまった併殺打だったかもしれない。実態はどうか。こんなデータがあった。平成22年のものだが、人口100万以上の都市の都市公園面積率は1位。市域面積当たり街路樹本数も1位らしい。




堀川は現在、地域の住民の方々の尽力で川はきれいになり、水上バスやゴンドラが運行されたりして堀川おこしが町おこしにつながっている感じだ。しかし、ローカルイベントの域を脱していないと思う。                


レゴランドがオープンした。リニア新幹線開業を控え「堀川」が歌詞に入ったご当地ソングがヒットすることを期待したい。それに合わせて、いま堀川の水底でくすぶっている、ドラゴンズとグランパスが水面に浮上したときが「行きたくなる街ナンバーワン」に浮上するだろう。