性的少数者あれこれ


湿った空気が流れ込むせいか、きのうより雲が多く蒸し暑い一日。毎年この時季になると、ウォーキング中に決まった場所で当たり前のように咲いていた花が去年あたりから、見かけられなくなった。丘陵地の畑の隅っこで純白の大輪が五つも六つものチョウセンアサガオだ。耕している人に尋ねても、どうしてここに咲いているのか知らないという。


四つ池南側の農道沿いの雑木林でも、去年あたりから一夜花のカラスウリが見られなくなった。返り咲きのフジだけは、毎年同じ場所で同じ時期に当たりまえのように姿を現している。当たり前の場所で当たり前の時季に当たり前のように花が咲いて心の安らぎが得られるのだ。いつもの場所で、いつもの花に出会えないと、何となく落ち着かないものだ。




きのうの中日新聞夕刊のコラム「目耳録」でシンガーソングライターで俳優の中村中(あたる)は戸籍上は男だが女性として生きている。彼(彼女)は自分と同じ立場を舞台「ベターハーフ」で演じていると紹介して、最近は性的少数者がテーマの映画や舞台が多く、多様な生き方を公にしにくい日本の状況が変わりつつあることを伝えていた。


毎年同じ場所で同じ時期に当たりまえのように花を咲かせている自然の摂理。これが順調でないと心が落ち着かない。ところが、神から与えらえた男と女、この神の摂理に反して性転換手術までは行わないが、異性の社会的性的役割や規範に収まりたいなどという人のことは熊さん、八っあん的尺度ではとても理解できない。



せいぜい、できるのはトイレや更衣室はどうしているかという疑問を抱くぐらいのことだ。そこで、はたと思い当たった。先月の北欧旅行でのことだ。スゥエーデンのストックホルム空港で写真にあるような男女共用のトイレが、何カ所もあるトイレに混じってあった。


ノルゥエーからスゥエーデンへバスで移動。国境の検問所兼ドライブインみたいなところでは、男女共用の個室と男子用個室(小のみ)だった。ストックホルム空港や国境検問所のトイレが性的少数者に配慮したものか確信は持てないが、多分そうだろう。日本の場合、多目的トイレが普及しかかっているが、もっと普及すればこの役目を果たすだろう。トランスジェンダーとかなんとか難しい事を云っても話のオチは結局この辺のところだ。